今期は少女☆歌劇レヴュースタァライトが少女革命ウテナを思い出す名作の予感!
ほら、あの革命だよ、あの…
少女☆歌劇レヴュースタァライト観てる??というか、観てる人実際の所少ないと思うんだけど本当にもったいない。ぜひ観たほうがいい。
私が普段利用しているdアニメでは、ウィークリーランキングがこんな感じだ。
1位:はたらく細胞
3位:オーバーロード
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36位:少女☆歌劇 レヴュースタァライト
いや、マジでもったいないって!!これ、ただの美少女量産アニメじゃないからな!?!?レヴュースタァライトはこんなに魅力的なのに!
というわけで、新野が今期イチオシの少女☆歌劇レヴュースタァライトについてお話します。
魅力1:舞台経験者の声優陣
私はアニメを見るにあたって、「どのアニメが(いわゆる)覇権か」を重視することは一切ない。前評判くらいは多少確認はするけれども。
レヴュースタァライトがなぜここまで観られていないか、考えてみるとたしかに前評判が高かったわけではないのは確か。
その理由は、スタッフと声優陣が新進気鋭揃いだからというのがあるのではないだろうかと考えた。
とりあえずWikipediaから読み取れる情報を観てみよう
レヴュースタァライトは、TVアニメに先駆けて去年からすでに舞台を行っている。
なぜか。
このアニメは、少女☆歌劇というだけあって舞台を舞台にしたアニメだ(ややこしいな)
実際アニメを見てみてもわかるが、少女たちは歌いながら剣を交え、戦う。ミュージカルをテーマにしたこの作品ならではのメディアミックスと言えるだろう。
で、その舞台を行っているのが誰かと言うと、まさにアニメの声優陣自身なのだ!!
というか、言い方に語弊があった。そもそも今回キャスティングされた声優陣はほとんどがもともと舞台俳優をやっていて、声優としてはほぼはじめての仕事だ。Wikipediaの登場人物項から各人のこれまでの出演について調べてみると、殆どが舞台であるのがわかる。
唯一メインキャラクターで実績のある三森すずこさんも、元々は舞台俳優出身で、ミルキィホームズで主役を張ってからアニメ声優として有名になった経歴がある。
アニメを見る上で声優がだれか、ということを気にする人は、この殆どが新人で構成された布陣を見て、「ん??」と思うかもしれない。
ただ、この舞台出身の声優陣であることがこのアニメの最大の魅力だ。本物の舞台を知っている声優陣であることが、演出とストーリーにおいてリアリティが感じられる点だ。
特に、主人公である愛城華恋を演じる小山百代は、私が毎週聞いている「ハライチ岩井勇気のアニニャン」に出演した際、「私自身が舞台少女だったので…」など、リアルなトークをしている。聴くところによると、学校に通いながら演劇の稽古もして、成績はリアルに数学で「1」を取るほどで主人公と共感する場面が多いということだ。努力家だぁ…。
そんな、リアルな舞台少女たちが演じるキャラクターは、技術的な面はともかくどことなくソウルが溢れている。
魅力2:新進気鋭のスタッフ陣
次にスタッフについて鑑みてみよう。
制作を行っている会社、キネマシトラスは代表作が「交響詩篇エウレカセブン ポケットに虹がいっぱい」「くまみこ」「ご注文はうさぎですか?」「メイドインアビス」と、時々地雷っぽい感じはするが、実績は十分にあるといえるでしょう。
ただ、Wikipediaを見ても制作陣のなかにピンとくる人物は見られなかった。私の知識不足というのもあるが。つまりはそれだけ新進気鋭のスタッフであるということだ。
新野は本気で、これは利点だと考えている。
最近、アニメを見る際にスタッフを重視するとどうしても肩透かしを食らってしまうことが多い。いや、これは本当に期待しすぎているだけなのかもしれないが、例えばダーリンインザフランキスにはTRIGGERの最新作であること、アイマスの錦織監督であることが重なって、「キルラキルやグレンラガンレベルの作画を!」「アイマス並みのストーリーを!」「GAINAXレベルの伝説の作品を!」みたいな今思えば本当に過剰な期待を込めてしまっていた。
他にもフルメタ最新作!エウレカセブン最新作!とか、そんなことで期待値上がりすぎてて実際見てみたら「えっ…?」みたいな感じになる恐れさえあることを考えると、スタッフによって期待値が高まることがないのはむしろ作品に真っ直ぐ向き合える。スタッフ側も、これまでの作品にプレッシャーを感じずに制作出来るだろうしね。
さて、スタッフの中で特筆すべきは監督の古川知宏氏だろう。
このページには古川さんのこれまでの仕事が網羅されている。すごい時代だな…
とりわけこれまでの経歴で気になるのが、唯一副監督を経験した「ユリ熊嵐」だろう。
…ここで私が言いたいことがわかった人は相当鋭い。
とりあえずこれについては後述しよう。
とにかく新進気鋭のスタッフによって制作されており、監督の古川氏も「はじめてのかんとく」という訳だ。
魅力3:作画と演出
作画については、今期で言えば「はねバド」がモーションキャプチャを使ったような画を瞬間に挟むという手法で頭抜けているが、レヴュースタァライトの作画もなかなかのレベルだ。
だが、それ以上に魅力的なのが演出。これが1番の見どころだろう。
このアニメでは、舞台の主役”ポジションゼロ”を勝ち取るために少女たちがお互い戦い合うというストーリーなのだが、戦闘シーンではお互いが歌いながら、踊りながら決闘をしている。
こんな感じに。
こんな感じに。
戦闘も本物のミュージカルのように行う。歌いながら攻撃を放って、間奏で台詞が入るみたいな…こんなことを詳しく文字に起こすことは野暮だけれど、このミュージカル調の戦闘というのがとても新鮮だ
例えばその他にも、レッスンシーンでは経験者でなければ作れないようなシーンも多い。どういうステップが間違っているとか…スタッフの中にはこのあたりを熟知している人がいるのだろう。こういうリアリティが感じられる作品はもれなくいい作品だ。
私が言うこの演出と作画のレベルは、公式HPにアクセスすると流れる映像を観てもらえれば一発でわかるだろう。
それ以外にも演出については特筆すべき点がある。
それが、今記事の本題だ。
魅力4:どことなく感じる「少女革命ウテナ」感
少女革命ウテナをご存知だろうか?当ブログでも特集したことがあるが
【ネタバレ無し】今更だけど「少女革命ウテナ」超おすすめ・オブ・おすすめな件 - アニおと!!見聞録~アニメと音楽の個人ブログ~
この少女革命ウテナは、演出の斬新さが評価され、今でも根強い人気を誇っているアニメだ。
監督は幾原邦彦氏。その他の代表作では、近年なら「輪るピングドラム」と「ユリ熊嵐」が挙げられる。
そう、ユリ熊嵐。レヴュースタァライトの監督である古川氏がユリ熊嵐の副監督であるのは前述したとおりだが、これで合点がいった。
レヴュースタァライト1話も観終わった段階で猛烈に感じた「イクニイズム」の正体はこれか…!!!
ウテナとレヴュースタァライトにはいくつか共通点がある。
少女が決闘をすること
まず、少女が決闘をすること。ウテナでもそうだが、少女たちが剣を交えて真剣勝負をすることが物語の上で重要なファクターである。
とくに、ただ戦うだけでなく「決闘」という形をとっていることも重要だろう。
誰が定めたのかわからないルールに則って戦うというのはウテナとの共通点だ。
決闘の勝敗
決闘の勝敗を決める方法もウテナ感がある。
ウテナでは胸に刺したバラが散ったら決闘の敗者となる。
レヴュースタァライトの場合は、肩にかけた上着が落ちると敗者となる。
うーん、似てる、というかもう明らかにウテナを意識しているよね。
戦闘前のバンク
それと、戦闘前のバンクシーン。
ウテナでは毎回戦闘前に、挿入歌「絶対運命黙示録」をBGMにながながとバンクシーンが流れていた。
レヴュースタァライトでも同様に、戦闘前にはバンクシーンが挿入される。
そんな感じで「少女革命ウテナ」を猛烈にリスペクトしている作品であることが伺える。
…ところで、少女革命ウテナのミュージカルをご存知だろうか?現在ではすでにAmazonなどでレンタルも始まっているのだが、私は「まんまウテナのミュージカルじゃん」と思ってしまった。レヴュースタァライト、あるいはミュージカルに理解を深めたい人はこちらを見てみるのも良いと思う。
これを観た後でレヴュースタァライトを観たから私はすんなり受け入れられたのかもしれない。このミュージカル面白かったよ。
ユリ熊嵐で幾原幾原邦彦監督の右腕であった古川知宏監督による「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、舞台少女のリアルを描き、ファンタジーを描いた作品だ。
魅力的な演出はもちろんのこと、ストーリーがこれからどのように進んでいくのか、とても興味深い。これはただの美少女アニメじゃないぞ。タイプで言ったら「魔法少女まどか☆マギカ」のような化け方をするアニメと読んだ。
まだ観ていない人は是非見てほしい。現在2話まで放送中だが、すでに面白いから。今期のオリジナルアニメ枠では、新野の個人的最注目作品だ。