同チップのグラボ性能はメーカーごとに違うのか実測比較した
ゲーミングPCにおいて、最も重要視されるパーツと言えばグラフィックボード。
グラフィックボードを購入する際にはやっぱり様々な要素を考えなければならないけれど、実際の所何を持って購入の指針にしているかと言えば、チップの種類じゃないかな。
Geforceのグラフィックボードであれば「GTX 10xx」シリーズ、Radeonのグラフィックボードであれば「RX 5xx」シリーズが現在主流となっているチップ。チップの名前によってそれぞれ性能が決まっており、調べればわかるが動作周波数なども揃えられている。
…ところで、本当にチップの種類だけ考えればいいのかといえばそれも違うんだよね。ただ安いだけのボードだけでなく、様々なメーカーからそれぞれ工夫を凝らしたボードが発売されている。
今記事では、実際に同じチップを搭載した2種類のグラフィックボードを、それぞれのスペックから実測したベンチマークを用いて比較してみることにしたよ。
カタログスペック比較
今回比較するボードはこの2種類
ZOTAC GTX1060 mini 3GB
ZOTAC GeForce® GTX 1060 Mini 3GB | ZOTAC
- ベースクロック 1506 MHz
- ブーストクロック 1708 MHz
- CUDAコア 1152
- ビデオメモリ 3GB
- メモリクロック 8000 MHz
- 実売価格 26,978円 (2018/07/25現在)
- 中古購入価格 20000円
まずはZOTAC製のグラフィックボード。
ZOTACといえば、各メーカーの中でも価格に重きをおいているメーカーだ。使用している人も多いのではないだろうか?
とはいえ安かろうと、普通に見れば高いグラボと違うところなど…ないかどうかは、比較してから考えよう。
MSI GTX1060 AERO ITX 3G OC
- ベースクロック 1544 MHz
- ブーストクロック 1759 MHz
- CUDAコア 1152
- ビデオメモリ 3GB
- メモリクロック 8008 MHz
- 実売価格 30,980円 (2018/07/25現在)
- 中古購入価格 23000円
グラボ界隈では老舗、PCパーツ界隈ではトップレベルの支持率を誇るmsi製のグラフィックボード。ZOTAC製と比べたらベースクロックは38 MHz、ブーストクロックは51 MHzだけ性能が向上している。
これはOCモデルだからっていうのもあるんだけれど、この時点でメーカー差がある。
チップは生産する際に、どうしても個体差が生まれてしまう。
一般的にはその個体差は「どれだけの動作周波数で安定するか」という事につながってくる。同じGTX1060の名前を冠しているチップであっても、おそらくZOTAC製のボードのチップは個体値の低いものを使用しているのだろう。
それに対してmsi製のボードのチップは、多少のオーバークロックをした状態で出荷しても動作に関して安定性が損なわれない程度に個体値の高いものが選ばれているということだ。
なので、msi製のボードの方が動作周波数が高く設定されているのは、それがそのまま「メーカーによるボードの性能差」につながっている。msiはそれを、OCモデルという名前をつけているのだと思う。
ちなみに、どちらもITXに乗るサイズである。てか、PCをITXで自作しているためこのサイズしか乗らないのよね。
詳しくはこの記事を見てほしい
Mini-itxケース「Metis Plus」でコンパクトなゲーミングPCを作った【前編】 - アニおと!!見聞録~アニメと音楽の個人ブログ~
さて、カタログスペックだけでもこれだけ読み取る事ができる。早速、実測してみようと思う。
ベンチマーク比較
というわけで実測比較してみる。
ベンチマークは3D Markの Fire strikeで行う。同じチップを使っているのでいくつもベンチマークソフトを使う意味もないだろう。
ZOTAC GTX1060 mini 3GB
まずはZOTAC製グラフィックボードの測定結果。
一般的には、というか私が調べた限りだとGTX1060 3GBのグラフィックボードがベンチマークで取ることが出来る期待値は10800程度だと聞いていたので、それと比べるとちょっと物足りなさを感じる。
いや、実際にゲームしてたらそんな大差はないんだけれど、感覚以上にベンチマーク値っていうのがわかりやすい指標だからねえ…
MSI GTX1060 AERO ITX 3G OC
MSI製グラフィックボードの測定結果。
やっぱりZOTAC製よりも高い結果になった。
msi製のボードよりも動作周波数が38MHz高いボードだが、ベンチマーク値は550程度大きくなった。
とはいっても、この550という値は動作周波数がたった38MHzの差であることを考えると相当大きい。
まとめ
動作周波数とベンチマーク値が正確に線形特性をとるとは考えられないけれど、
というような結果になった。
特に、各ボードのベンチマーク値の差については、
1MHZあたりのベンチマーク値 14.45
ということで、MSI製のグラフィックボードの多少のカタログスペック差以上に、実際の性能は大きくなっているようだ
ということで、やはりメーカーの違いによって性能差はこのような違いがあることがわかった。
高いものには高いだけの理由があるということだね。
中古購入であれば殆ど価格差がなかったので、MSI製のボードのほうがお得だったかな。
どちらを購入するのかはやはりそれぞれの選択だけれど、価格、性能それぞれの長所を見比べて購入するのをおすすめしますよ。