「劇場版 コードギアス 復活のルルーシュ」私なりの感想・考察 こういうので良いんだよ…。
劇場版 コードギアス 復活のルルーシュ見てきたぞ。みんなは見たかな?見てない人は先に見に行ってくれ!この記事ではネタバレをしまくるぞ。あと余談多めだぞ。
ところで近年、私が好きなアニメがたびたびリバイバル制作されることが多い。エウレカセブン、フリクリ、フルメタル・パニック…。いずれも00年代を代表する名作アニメだった。
それらの続編が10年以上の時を経て制作されるのは素晴らしいことだと思うが、完成度としては首を捻る出来栄えだった。
例えば劇場版エウレカセブンは、TV版の映像を使いまわし再構築した映像として三部作のうち1作目が公開され、賛否両論を得た。(そして2作目で手のひらを返した)
例えば劇場版フリクリは、OVAの監督であった鶴巻監督が離れ、6人もの監督の連名のもと出来上がった。
作品としては悪くなかったのだが、フリクリの続編と考えるとやはり鶴巻監督独特の空気感のようなものが薄まってしまっていた。
フルメタル・パニックIVはTV放送であったが、00年代当時の全盛期のGONZOや京都アニメーションと比べ、4期を担当したXEBECは作画崩壊が目立った。ストーリーやキャラクターは相変わらず好きなため殊更残念であった。
00年代のアニメには、世間的には大きく取り上げられないからこその市場の狭さがあり、更にほとんどの制作がデジタルアニメで行われるようになったことから、各社とも発展途上の分野に対して力を注いでいた印象がある。
言うまでもなく現在のような大アニメブーム時代においては、市場が大きくなりはしたもののバブルと言うほど景気が良いわけでもない。
当然だが、ただアニメを作れば良いのではなく、なにかヒットさせるための要素を持ったアニメが人気を博している。
私は正直、その”ヒットさせる要素”として過去の作品のリバイバルが行われているだけなのではないかという訝しみも感じている。
で、今回見てきた劇場版コードギアス。これはマジで最高だった。
先述したような私の不安を取っ払い、完成度としては申し分ない出来。なにより、下手な小細工もなく純粋にTV版のスタッフが集まって作った完全新作というような内容であったので、当時の空気感がそのまま感じられた。
こういうのでいいんだよ…。と思った。
これは公開前のPV映像だ。映画見た後だとゾクゾクするな。私は生粋のネタバレ嫌いなのでPVすら一度も見ずに劇場へ行ったが、最後のキャスト紹介にもルルーシュの名前はなく、本当にルルーシュが復活するのかどうかすらわからなかった。
こういう、粋なことしてくれるのマジで最高だな。
本編の感想と言っても全部追いかけるのもあれなので要所要所私が好きなシーンを挙げる
- 「破ったな…!ルルーシュが残した平和を!」のシーン
- 敵がギアスを使うシーン
- メカ作画がカッコよかったシーン
- シャーリーが生きていたシーン
- 「ルルーシュ・ランペルージからとってL.L.、なんてどうかな」
- まとめ
「破ったな…!ルルーシュが残した平和を!」のシーン
私が開始10分で泣きそうになったセリフ。
劇中ではまずルルーシュが去った後の世界の様子が見られた。カレンの「みんなー!久しぶりー!」というセリフが視聴者に向けられたセリフだということは言うまでもないだろう。
ルルーシュの死、彼の自分勝手な自己犠牲が生んだ世界の平和を皆が謳歌している姿にも来るものがあったけれど、それを何よりも大事にしていたのはスザクだったんだなと言うことが伝わるシーンだ。
後にルルーシュと二人で語るシーンが有ったが、「君(ルル)のいない世界は思っていたよりも孤独だった」というように、世界の平和を孤独に守っていたスザク。その心には、かつて自らの理想のために孤高に君臨していたルルーシュの姿が映っていたに違いない。
エモいな。
敵がギアスを使うシーン
敵がギアスを使うことはこれまでもあったが、マオやシャルルなどギアス教団がバックに立っていることが分かる人物ばかりであった。
今回の敵はジルクスタンという小国だ。上の画像のクジャバットと、女王のシャムナがギアスユーザーだが誰から授かったものなのかは明らかにされていない。
C.C.曰く、ギアス教団の分派のものらしいが…。
そういえばあなたはゼロレクイエムの詳細をご存知だろうか。
シュナイゼルを軍門に下したルルーシュは、フレイヤ弾頭を脅しに使い各国を次々と超合衆国に加盟させ、世界の統一を図った。
ということは、その時点で世界のどの国も超合衆国に軍事力では歯向かえなかったということだ。
シャムナのギアスを持ってすればフレイヤ弾頭に対抗できたのでは…。いや、シャムナの野望を実現するためには別に超合衆国に加盟することも構わなかったのか、あるいはシャムナだけループを経験し、結果どのルートに至っても合衆国加盟ルートしかなかったのかな…。
なんとなく妄想を掻き立てられるけど、語られない以上は理解しようもない。ただジルクスタンについてはわからないことも多かったのでスピンオフか何かで描いてほしいものですね。
メカ作画がカッコよかったシーン
劇場版なので当然作画には期待していた。私に限った話ではないと思うが、ロボットアニメとメカ作画は切っても切れない重要な要素だ。
最も印象に残ったのは上のミサイルのシーン。よくわからない方はPVを見てもらえばその凄さが分かる。
もともとコードギアスのメカは地上戦がメインだったのでミサイル作画はR2の後半にしか登場しなかったものの、スラッシュハーケンという神便利武装で美しい軌道を描いてくれていたので満足していた。
今回の映画ではスラッシュハーケンはあまり活躍しなかったが、綺麗なサーカスが見られたのが嬉しい。とは言っても一瞬だったが。
個人的に推しナイトメアフレームのコーネリア姉様のグロースター。
と思ったけど要所要所デザインが違う…?パンフレット見ていない(売り切れで買えなかった)のでわからないけれど。
紅蓮やランスロットといった第9世代KMFが幅を利かせる中で未だに泥臭いKMFでめちゃくちゃ戦果を上げるコーネリア最高にかっこいい。
今回の映画では藤堂やシュナイゼルが内政に留まったこともあり、コーネリアとゼロが合流したシーンは鳥肌が立った。
というか、コーネリアがルルーシュの味方をするのって何気初めてなのでは??
黒の騎士団と団結したのもルルーシュが世界征服したあとだったし。
シスコンブラコンで有名なコーネリア姉様がやっとルルーシュと肩を並べて共同戦線を貼るというのもエモい。
もちろんランスロットも健在です。
ルルーシュの戦略シーンが多かったのでランスロットや紅蓮の活躍はあまり多く描かれなかったけど、しっかり活躍していた。スザク特有のロボットの動きから外れた運動性能を見せつけてくれた。とくに、このポーズをした瞬間はもう泣きそうになった。
今回の映画、当然だけど思い出補正強いな…。
コードギアスはストーリーやキャラクターもさることながら、ロボット作画も最高にキレッキレなので、初めてロボットアニメを見る人とかにも勧めやすいよね。
メカについての詳しい情報は公式サイトで。
http://www.geass.jp/R-geass/nightmare.php
シャーリーが生きていたシーン
ごめん、コレばっかりは私の不勉強なんだけど、劇場版3作目でシャーリー生存ルートに分岐してたのね…。
劇場版反逆は見に行っていなかったから知らなかったです。
ギアスを始めてみた時は、「あ、このアニメ普通にヒロイン殺しちゃうんだ」と思った。いや、R2まで見たらアレかもしれないけど、1期って普通にカレンやC.C.っていうよりもシャーリーがヒロインって感じだったじゃん?
で、私って最初に見た鳥を親と認識してしまうタイプの雛というか、ZガンダムじゃなくてガンダムMk.2が好きっていうか、ダブルオーガンダムよりガンダムエクシアが好きみたいなタイプの人間なんですよ。
R2でシャーリーが死んだときには、私の心に決定的な穴が空いた気分になったし、ルルーシュ同様めちゃくちゃ腹がたった。
…という思い出深い女性だったのだけれど、復活のルルーシュ見に行ったらシャーリー女史も復活していたでござる、みたいな。
「ルルーシュ・ランペルージからとってL.L.、なんてどうかな」
今回最大の爆弾ですね。
まあ、コードギアスって強烈なヒロインが3人もいるのにあまりヒロイン論争になってこなかったけど、やっぱりC.C.がメインヒロインだった。
アニメ2期でR2(アールツー)っていうサブタイトルが付いたのも、
「これってルルーシュ・ランペルージがC.C.みたいにコード保持者になるって話じゃないの~?」
っていうお決まりみたいなやり取りがあったけど、まさか本当にL.L.を自称するようになるとは。というか、やっぱりルルーシュにとってはランペルージの性は大事なんだな、というか。
王室に生まれた結果得たブリタニア性を使ってギアス、黒の騎士団、悪逆皇帝とダークヒーローの道を進んだルルーシュにとっては、アッシュフォード学園で平和な日々をナナリーや友人と過ごしたランペルージ性の特別さみたいなものは視聴者も感じるところだよね。
まとめ
というわけで久し振りにルルーシュに会ってきました。
正直言って、最初に言ったとおり見る前はだいぶ不安もあったけれど、中身はいつもどおりのコードギアスだった。
いつもどおりっていうのが大分重要というか、ラーメン屋に入ってラーメン頼んだのに蕎麦が出てくるみたいな作品が多い昨今でよくここまで視聴者のニーズに合わせてくれたな、と。
絶賛公開中のシティハンターも見に行ったけど、こちらもコードギアスと同様にかつてのアニメと同じノリでリバイバルされている感じだった。
リバイバルブームも1周回って、「新作」ではなく「続編」のような感じで作ってくれる場合が増えたのは既存ファンからしたら嬉しことだ。
作画も相変わらず安定、空気感やキャラ、声優、文句なしです。