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アニおと!!見聞録~アニメと音楽の個人ブログ~

アニメと音楽に関する個人ブログです。アニメやAV機器のレビューをします。

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【人体実験】イラスト初心者は半年間でどれだけ上達できるか

「可愛い女の子の絵がかけるようになりたい」

当社独自のデータベースから全アニオタの脳内分析をして最も望んでいることを調べたら、以上のような結果が得られました。

 

アニオタたる私はアニメが好きだ。息を呑むようなミサイルの作画や幻想的な風景の作画も勿論好きだ。しかし、やっぱりなにより可愛い女の子のイラストが好っき!!こんな可愛いキャラクターを自らの手で創り出してみたい!

 

そんな悪しき野望に満ちた一人の人間がここにいる。わたくし、新野と申しますよろしくおねがいします。

 

今年の四月にiPad proを購入した。実際に使ってみるとどうにも重量がかさむし、サイズも大きくて気軽に使えるというわけでもない。結局iPad Air2 と併用することにした。

そこでiPad Proの使い道をいろいろ考えていたところ、Apple pencilが使えることに気がついた。

 

Apple pencilの評判は聞いていた。なんでも「ミドルエンド以上のペンタブ程度の働きはしてくれる」とか、「iPadさえもって外出たら同人誌の作業が捗りまくりんぐww」とか、「クリスタiPad版神アプリすぐるwwヌルコポォww」とかTwitter上で噂になっていたので、これを期にイラストの勉強を始めるのも良いかなと思ったのだよね。

 

というわけでApple pencilを購入。これから半年間でどれだけイラストが上達するのかというのが今回のテーマです。

時系列順に、私が行っていったことをひとつずつまとめて行きます。この程度のヘボがこれくらいの頻度で練習してるとこんな感じになるんだ、と見世物にしてくれたら幸いです。

さて、注意ですが、この記事には上達の過程を見せつけるマゾ精神のために、私のクソ下手初心者絵が大量に出てきます。精神を不安定にしないように頑張ってください。

それと、私は暇な時になんとなく練習していた程度なので、ガチガチに練習してバキバキ上達してやるぜみたいな方にとっては馬鹿にしてんのかみたいな内容かもしれないけれど馬鹿にしてませんのでご了承ください。

使用した機材・ソフト

まずは私が使用している機材について紹介しようと思います。

iPad Pro 12.9インチ 第一世代

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まずはiPad Proです。私が購入したのは12.9インチの第一世代。

現在は第3世代が発売開始となり、ベゼルがより狭くなったデザイン、Apple pencilの無接点充電が可能になっているなどと話題を博していますね。

第1世代は後継機と比べるとフレッシュレートが半分しか無く描画の滑らかさに欠けていたり、画面のスペックで劣っていたりはするものの、本体の動作はCPUの性能も良いため問題なく、Apple Pencilも使用できることから選択しました。

私は中古で購入したのだけれど、第3世代がめちゃくちゃ人気なのでこれは中古相場が値下がり起きそう。割と今買いどきかな。

 

ちなみに4月に発売されたiPad 2018年版でもApple Pencilは使用できて、しかも2万円台くらいで購入できることからコストパフォーマンスは高いんだけれども画面のサイズが小さいのと、既にAir2を所持していたため選択肢から除外。

Apple pencil 第一世代

iPad proと同様に現在では既に第2世代が発売されて、第1世代の不満点であった丸くて転がっちゃうこと、手触りがツルツルで滑りやすいこと、充電で本体に挿すのが面倒くさいこと、ショートカットキーが存在しないことなどが改良されたモデルになっているね。

とはいえ逆に言えば、それらの点に目をつぶることができれば第1世代でも全然使えるってこと。どちらにしろ半年前にはまだ第2世代出てなかったから選択しなかったんだけれど、それにしてもApple Pencilは本当にすごい。筆圧感知、筆の向き、トラッキング性能、何においても不満点が見つからないですね。

第2世代での改良点も利便性の点が多かったので、これはつまり第1世代でも十分完成しているということを表しているのではないでしょうか。

Clip Studio for iPad

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使用ソフトはClip Studio for iPadです。Twitter上の神絵師様達がしきりにクリスタクリスタ言ってるので盲信して選択しました。

シェアウェアで使用するのには月額を支払う必要がありますが、なんと半年間の間はEX版(上位版)の機能が無料で使えるという!!

この記事がなぜ半年という期限なのかと言うと、実はこのクリスタの無料期間の間にどれだけ上達できるかというのを知りたかったからなんですよね。

 

本来では上位版のEXは月額980円、機能制限版のProでは480円と、少し敷居が高いですが、年額プランではいずれも割引があり、pro版ならなんと月額換算240円/月で使用できるとのこと!私、無料期間終わったら年額プラン入ります。安くないこれ!?

 

正直ソフトの解説とか比較とかできないのでソフトの話はこの辺にしておきます。

イラスト勉強に使用したもの

では本題です。

半年間という期間でイラスト制作の勉強に活用したサイトや動画をまとめてみようと思います。基本的にどれも無料で公開して頂いてるものばかりなので存分に活用させてもらいましょう。

STEP1:Pixiv公式イラスト練習サイト「sensei」

まずはイラスト投稿SNSとして有名なPixivが開設しているサイト「sensei」を利用しました。

このサイトはイラストの勉強を動画を使って行うサイトで、Pixivのプレミアム会員であれば閲覧することが可能です。プレミアム会員ではなくても、無料会員なら2週間までお試しで利用することができます。

 

具体的にどんな内容か。

senseiには練習するコースが4つ用意されています。「人体」「背景」「キャラクター」「メイキング」です。

 

例えば人体コースなら

体の基礎コース | sensei by pixiv

こんなかんじで、人体を棒人形→ブロック人形→円筒形の人形→人型の人形といったように、徐々に人体がかけるようになるためのプロセスが組み立てられており、この通りに練習するだけでも相当上達するんじゃないでしょうか?

「キャラクター」コースもありますが、私は絵に関しては本当にずぶの素人でありましたので、「人体」コースから受講しました。

「人間の体の構造」、「肉付き」、「角度による見え方の変化」や「頭身」、「男女の体型の違い」…たとえば体だけでも思いつくだけでこんなに挙げられます。密度がすごい!

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めちゃくちゃ細かい解説

勿論体だけではなく顔についても開設してくれます。「キャラクター」コースでも顔の書き方の説明はあるのですが、まず「人体」コースで顔の構造や骨格などを理解するのが良いのではないでしょうか?

 

「キャラクター」コースでは「人体」コースで学んだ顔のパーツのバランスなどを元に、それをデフォルメしてキャラクターライクに書けるように解説してくれます。

それ以外にも、初心者の私では言われてみないと気づかないテクニックみたいなものも多く、これがめちゃくちゃ勉強になるんだよな!

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顔のアングルなど、「描けるようになる」解説が盛りだくさん

さて、この講座を一通り受講したのち私が書いてみた絵がこちら。

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う~~~~ん??

勿論、下手くそです。

ただ、senseiというサイトのおかげで人体の構造が理解出来ました。これより以前の私だったらまずキャラクターにポーズを付けることもできないでしょう。

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鉛筆画で見づらいですが、関節を球として、腕や足を円筒として考えて体を考えるなどは只今絶賛実践しているところです。こういうの、中学の美術の授業でも習ったけれどその頃は何言ってんのか全く理解できなかったからね。

そういう点ではsenseiで学んだことがめちゃくちゃ土台になっていると思いますし、絶対senseiなしではイラストの勉強を続けることはできなかったなと思うほど神サービスでした。

ある程度描かける人でも、参考になる部分は多いと思うので試してほしいです。

是非使ってみてくださいな。

STEP2 模写してみる

senseiで一通り勉強した後はひたすら模写をしました。

あいにくなことに私はアイマスが大好きです。一枚絵の宝庫と言っても過言ではないでしょう。

実際のところ、クソ雑魚の癖に全くのオリジナルで書きたいという気持ちもあったのですがいくら書いてもうまく行かず、模写を試してみることにしました。

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はいかわいい。アイドルマスターシャイニーカラーズで私が重点的にプロデュースしている西城樹里ちゃんです。ボーイッシュで不良ぶっているけれど中身はスポーツ少女で部活のバスケを諸事情で辞めてしまい、仲間思いで優しいそんな女の子です。それなんて三井寿

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模写をすると構図、色使い、スタイルのバランス、小物や細かい場所の書き方などが一気にインプットされて、描くたびに毎回違った発見があるのが嬉しいですね。それを身に付けられるかはその人次第ですが…

 

例えばこの絵、よく見るとエラい場所から右足が飛び出てるように見えますが、イラストとしては不自然じゃありません。しかし自分で書こうとするとなかなかこんなポーズでは描けません。模写ではこういうテクニックが身につくのが良いですね。

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これ重要なことなんですけど、おっぱいってめっちゃ難しいんですよね。おっぱい超大事なのにおっぱい超難しい。おっぱいをいっぱい描くにしても体とのバランスの兼ね合いもあるのでおっぱいだけをいっぱい書くわけにもいかず…あっはい、おっぱいって言いすぎですかね。自重します。

 

とにかく模写では得られるものがめちゃくちゃ多かったですので、これをしない手は無いですよ!!下書きだけではなく、ペン入れして着色までするのがベターかと!シワとか逆光とか実際書いてみないと理解できないことって多いですからね。

STEP3 参考書を買う。toshi著「線と陰」

参考書を購入しました。

 

 toshiさんはpixivでも活躍されているアニメーターの方です。

www.pixiv.net

 pixivのページには様々なシチュエーションに合わせたイラストが投稿されていて、(だいぶ本人のフェチズムが反映されていそうですが)線画で投稿されているために勉強する際にとてもわかり易いです。しかもめちゃ好きな絵です。

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人間の行動の一部を切り取ったような感じで書かれていて、いろいろ見るべきところが多いですね。どの女の子も基本的に薄着なのでそういう意味でも見るべきところが多いですね。

 

そんなtoshiさんの著書「線と陰 アニメーターから学ぶキャラクター作画術」を購入しました。線画を描くにしても、どのように線を引くか(太さ、滑らかさなど)で絵の印象が違ってくることや、光源の向きに対して陰がどのようにできるか、この素材にはどうのような影がつくかということが重点的に解説されている本です。

 

特に、私はこれを買った頃に影の付け方でめちゃくちゃ悩んで、というか行き詰まっていました。線画と陰というポイントに絞っているからこそ頭に入ってくるものも多かったのでおすすめできる本ですね。

ちなみにここまで、着色については一切勉強していません。

というわけで、いよいよ着色の勉強をしていこうと思います。

STEP4 Youtubeでイラスト勉強

今の時代ってすごいよね!Youtubeにメイキングとか解説動画とかいろいろ上がってるもの!

これまでも色々Youtubeでイラストの解説動画はみていたのだけれど、特に着色に関しては動画で解説してくれるのがめちゃくちゃわかりやすい。

肌の塗り方って本当に難しい。さっき出した下手くそ絵を観てもらっても、肌はベタ塗りで済ましてる(逃げ)

この動画は肌を、ベーズを塗って→陰を塗って→ハイライトを入れてという手順で塗っていく方法を解説してくれてるんだけど…これめちゃくちゃすごい!一気に肌が塗れるようになった!立体感というか、なんというか、ああ、こういう風に書けば良いのか!っていう正解を教えられた感じです。

この、Palmieっていう動画シリーズ、どれも参考になるんですよね~。動画によってはちょっと解説が短いなって思う場所もありますけどそれにしても。

 

「目」の書き方についても色んな方法が挙げられていますが私が参考にしたのは以下の動画です

とはいえ、目は色んな描き方があるし、この動画の作者、天川詩月も気分で書いてる的なことを言っていたのでこれという方法があるわけではないと思いますが、初心者からしたら引き出しの1つ目を作ってくれるのはとてもありがたいですね。

 

というわけで、着色を初めて頑張ってみました。これが半年間の集大成です。

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またシャニマスから三峰結華です。ドルオタがアイドルになっちゃうというシンデレラ・ストーリーな女の子。メガネを取ったら普通に美少女、ユニットのバランス剤です。

いや、ダイマは一旦置いといて。とりあえず感想。

感想

というわけで半年間に練習したことをまとめました。

結局書き終えてみると、髪のハイライトが上手く描けないな~とか、眼鏡の曲線美が表現できねえなーとか、指が~~とか、服めんどくさくてニットにしちゃったなーとか、まだ直したいところは沢山あるんですよね。

過去に5億人が言ってたことですけど誰しも最初は下手っぴですからね。これから上達しようっていう上昇志向が大事なんじゃないかな!(無難な回答)

 

絵とか音楽とかを自己表現に使える人って本当にすごいと思うし尊敬してる。だからこそ自分もそれに憧れていたし勉強しようと思ったわけだし。

下手な絵を人に見せるのは恥ずかしいけれどそういえば私ってプライド持ってなかったんだ。小2のころ学校で失くしちゃったんだよね、プライド。

 

これからも練習していこう。そのためにもクリスタの月額払わなくちゃ。こんな記事読んでくれた皆さんにもおすすめです。一緒に頑張りましょう。

”四畳半神話大系”の聖地、あのラーメン屋がいつの間にか閉店していた。

京都・出町柳に時折出現する屋台ラーメンをご存知だろうか。名を猫ラーメンと言い猫から出汁をとっているという噂ではあるが真偽の程は定かではない。

 

猫ラーメンは小説、及びアニメ四畳半神話大系において主人公が度々通う謎のラーメン屋であり、怪しげな客、汚い学生たちが出入りする屋台であるがその味は無類である。

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アニメで登場した猫ラーメン

というのは一旦端においといて、その猫ラーメンという屋台にはモデルが存在する。

名をはらちゃんラーメンと言い、京都出町柳に時折出現してはインターネット上での評価も高く、どうやら噂に違わぬ名店であったそうだ。

www5.hp-ez.com

ホームページを見るとなんとも食欲を唆られるラーメンの写真がデカデカと表示される。このサイトは客と店をつなぐ重要なツールであり、なぜ重要かと言うとこのはらちゃんラーメン、先程話したとおり本当に時折しか営業しないのだ。

 

毎日17時頃になるとブログが更新され、店主の短い日記のような他愛もない話とともに「○月○日 休みとなります」あるいは「営業します」という一文がみられる。

はらちゃんラーメンは不定期に休んでおり、客が行こうと思っても店がやっていなければ仕方がない。

 

因みに私ははらちゃんラーメンに赴いたことはない。ただ、いつか京都へ旅行することがあれば、そしてその日にたまたま営業していたら食べてみたいと思い、度々ホームページをチェックしていた。無類とまで言わせるほどだ、気になるじゃないですか。

 

ブログの記事を見る限りだとどうやらここ最近は店主の体調も良くないようで、2018/09/27日の記事を持って更新が途絶えている。そしてそこには「閉店します」との文字が。えー。

理由は特に明かされていない。諸事情とだけ書いてある。

 

最後に営業していたのはいつだったのかというのをさかのぼってみてみると8月22日だった。ということは最後の営業は閉店の1ヶ月以上前ということになる。まさかその時食べた客も、それが最後の味であるとは夢にも思っていなかっただろう。

 

保存されない物というのは貴重だ。物事には保存されるものとされないものがある。昔既だ小さな部屋は今は誰かが住んでんだなんてこともあるし、倒壊していまでは空地になってしまっている場合もある。

 

食べ物の場合は特に保存性がなく、はらちゃんラーメンを食べる機会は今後二度となくなってしまったということだ。この店が屋台であったということも輪をかけて保存性のなさを痛感させられるし、必要のなくなったこのホームページはサーバーとの契約が切れてしまったら閲覧できなくなることだろう。

まして私は食べたことすら無いので記憶に保存しようにも出来ない。存在を覚えておくことは出来るが。

 

小説で認識して、インターネットで存在を知った私と、かの店との薄い繋がりが断ち切られてしまったようで残念だ。

そんな保存性のなさについて考えてしまったので、ブログに書いておくことで私自身へのアーカイブスにしたい。

 

 

それにしても閉店ですか。森見登美彦といえば今をときめく人気小説家だし四畳半神話大系というのはその代表的な作品と言っても過言ではない。世界的に人気な作品だ。

それでも”諸事情”で閉店してしまうのなら仕方がない。健康とかそういう話なのかな。だとしたらお大事に。

久しぶりに小説を読んだ。伊坂幸太郎-「死神の精度」

久しぶりに小説を読んだ。

私は別に読書家でもないし、年に5冊ほど好きな作家の本か表紙が気になった本を買って読むくらいだ。

最近ライトノベルのことをよく考えるけど、あれだけラノベ少年だったのにあまり小説への架け橋にはなってなかったんだなあ。そういう人結構多いかも。

 

伊坂幸太郎は我が家で流行っている作家だ。これまで気に留めたこともなかったけれど父も母も小説が好きで、弟も家にある本を結構読んだりしている。私以外みんな小説を読んでいる気がする。

他にやることがあったから読んでないだけで小説自体は好きだ。やっと読み終えることが出来たな。

 

「死神の精度」はタイトルの通り死神が主人公だ。死神っているのはいろんな媒体で登場していて、漫画でも映画でも落語でも死神と言ったら一つくらい思い浮かぶものがあるだろう。と言っても構わない程度にはメジャーな題材ということだ。

 

人間には必ず生死が寄り添っている。死んでみないと生きている実感がわかないみたいな言葉もあるくらいだから多勢の人にとっては生きていることよりも死ぬことについて思いを馳せる事が多いんじゃないだろうか。

この小説が舞台になっているのは普通の社会だ。今もどこかで起こってるんじゃないか、と思うような小さな事件が短編集としてまとめられている。

 

死神は人が死ぬ8日前にその人の前に現れ、8日間行動をともにし「可」か「見送り」かを判断する。「可」というのはつまり8日後にその人が死ぬということだ。

死神はそのときどきにおいて初老だったり、妙齢だったり、美形だったりと姿を変えて突然あらわれる。そして「可」か「見送り」かを判断してその場を去る。

 

あらすじを書けばこんなところだが、実際に小説ではあまりその人の生死について深く語られることは少ない。

死神は事務的に仕事をこなしつつ、様々な人々に出会う。いずれの物語も、人間社会、あるいは文化に対して疎い死神が出会いの中で様々な経験をしていく、短編物語だ。

ううん、うまく言語化出来ないな。ヒューマンストーリーというには仰々しいが、いろいろな人間の人生のうち、死ぬ間際だけを切り取ってスライドショーをみているような、そんな小説だ。そしてそれは死神にとっても同じことで、いくつもの人間を「可」にしてきた死神にとっては人の生死など別段どうでもよく、興味も無い。そんな死神のレンズを通して語られる文章はドラマティックではないがどこかリアリティに満ちたものとなっている。

 

特に、死神の精度と題した短編集の一作目。※ちょっとネタバレます。

死神は7日間行動をともにした人間の生死をコイントスで決めることにした。

この物語では、人間の生死というのはその程度のものなのだ。それが、「死神の精度」であり、生死を司る神にとってはその程度のものでしか無いということなんだよね。

私は工学系なのでなおさら精度という言葉に敏感になってしまう。

 

こんな話もあった。その日死神が担当した人間は、過去に恋人を亡くし、夫を亡くし、息子を亡くしていた。人間の生死にはいずれにしても死神が関わっているのだが、これほどまでに周囲の人間が死んでいくことなどあるのだろうか、というのをたまたま街で出会った他の死神に尋ねると「偏ってるって言っても、誤差みたいなもんじゃない」

誤差というのは本来無いものとして考えるものだ。しかし避けられないから誤差として仕方なく認めている。死神にとってはそんなこと、「どうしようもないしどうもしなくて良いんじゃん?」程度のものだということ。

 

死神はどのような基準で死ぬ人間が選ばれるのかを知らない。誰がそれを司っているのかもわからない。全能ではない人間を裁いて(あるいは捌いて?)いるのは不完全で全能ではない死神ということ。

 

デス・パレードというアニメがある。私は学がないのでアニメで例えるしか出来ないのだが。デス・パレードは死後の人間二人をゲームで争わせて、その二人が天国へ行くべきか地獄へ行くべきかを判断する「裁定者」の話だ。

しかし物語終盤では、自分がどのように作られた存在なのか、なぜ自分が審判を下すなどという事をしているのか、そもそも天国や地獄とはなにか、といったことに悩んでいく姿を描いている物語だ。

 

死神の精度はこれよりはもっとドライに死神の姿を描いているが、どのようにして死ぬ人間を選んでいるのか?といった疑問を抱く。その答えは語られないが、個人的にはこういうのはフィクションの醍醐味だな、と。

読者はこういうもんですよって語られるものをそうなのか、って読んでいくしか無いわけで、でもそこには確かに疑問が存在したっていうことが馬鹿な私は語られるまで気づけ無いんだよね。

 

死神を題材にした物語は多い。小説家になるともれなく死を題材にかくという話も聞いたことがある。誰も死後のことなんてわからないから好きなようにフィクション出来るから、だとさ。

私は伊坂幸太郎の小説は初めて読んだけど、読書家な人にとっては「伊坂さんはこういう風に死を解釈したのね。」みたいな楽しみ方も出来るんじゃないかな。

感想「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」5話、色んな王道が混じっていて最高だな~って話

秋アニメ「青春ブタ野郎

原作小説のことを考えると、どうやらこのアニメは巻ごとに別のヒロインが居て、それぞれの女の子と仲良くなりつつ、とっかえひっかえ青春することから主人公が「青春ブタ野郎」と呼ばれている。

 

まあメインヒロインは1巻(アニメだと1~3話)のバニーガール先輩で、きっと主人公の朔太がそれ以外になびくことはないだろう。

これを書いたときに、「ラノベ文法」「この手のSFっていうのは擦られすぎているような気もする」「いわゆるヤレヤレ系主人公」だとか、けなしているわけではないけれどあくまでライトノベルアニメなんだなっていうことを思った。

私は元々ラノベを好いていたタイプの人間なので別にそれをマイナスとは思っていないのだが、やっぱり自分の中でラノベは過去のものになっているという感は否めない。今更SAOにはハマれないだろうし。

 

で、いまんとこ5話まで見ているんだけれど、周りから姿が観測できなくなるバニーガール先輩のあとは、嫌なことが起こるたびにループを引き起こすニセ彼女後輩がヒロインに抜擢されている。

 

シュレディンガーの猫」を例えに出したかと思えば次は「ラプラスの悪魔」か…。全然関係ないけれど物理学者とか数学者ほどこういった哲学めいた考えを後世に残しているのは面白いよね。時代的な問題なのだろうか。

現代に生きている私はシュレディンガーピタゴラスも過去の学者として一括りして、その上でふたりとも「数学者でもあり、哲学者でもある」と認識してしまっているけれど、現在進行系で数学を極めすぎていて宇宙の真理にたどり着いてしまった数学者もいるのかもしれないからそんな雑なくくり方はするべきではないよなあ、と思う。

 

いや、そんなことはどうでもいいんだ。要は、このアニメはSFを題材に居た学園モノであるということは、上記のワードを聞いたらすぐに理解が及ぶところだろう。

 

あらすじについて詳しく説明するのは面倒だし記述はしないでおくが、4話でループ現象を引き起こす後輩が登場し、とある要因で早々にループから脱出するのだけれど、5話の終わりにまた不穏さ雰囲気を醸し出している。

要は、1学期限定で彼氏のふりをしている朔太のことを本気で好きになってしまい、(ここから想像)きっと6話では別れたくないからとループを引き起こし、「朔太がこのまま付き合うことでループから脱出するか(しかし根本的解決にはなっていない)」「後輩と別れ、飽きるまでループを繰り返すか」みたいな2択を迫られるのだろうな~~!!でもそれを言葉の力で説得して、ちゃんと「親友」になるんだろうな~!みたいな。そんな予想ができちゃう。

(それがあっているかどうかは置いといて、)想像できちゃうんだけど、それが結局いいんだよな~っていう。

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「嘘が終わったら友達になってくれ」「しょうがないから親友になってあげます」

また全然関係ない話に飛び火するけど、近年は「異世界転生モノ」が(主にラノベとなろうで)流行っている。それに関して良いか悪いかは置いといて、流行っているから書くって何?と思ってしまう。勿論作家は文章を書くというのが仕事だし、それを売上につなげることが一番大事ではあるんだけれど、みんながやっていることをやってても、見ている方からしてみれば「ああ、~~っぽいやつね」となってしまう。

 

青春ブタ野郎」はラノベ文法だし、ラノベでしか不可能なフォーマットの作品だし、物理現象を例に上げつつやっていることは結局恋愛活劇じゃねーか!だったり、「これ、伏線だぁ~!!」って思っちゃうような出来事が隠されもせず起こっていたり、ケチをつけようと思えばつけることが出来る作品だと思う。

思うけれど、このラノベっぽさが私にはどうにも郷愁をそそられつつ、見続ける要因になっているような気がする。ラノベとして、そしてSFとしての王道をピックして作品を仕上げている感じ。「涼宮ハルヒ」及び谷川流が私にとってのラノベイコール、だからなのかもしれないが、SF学園モノはラノベの中で1番唆られる設定だ。

 

きっと作者はライトノベル文化が好きなのね~と思いつつ、それでも頭が良くないとSFなんて題材は選ばないし、いわゆる「ハーレムモノ」ではなく区切りをうってヒロインを交代させつつ、メインヒロインはずっと変わらないという形式をとっているあたりさぞ懐が深いんだろうと思わせられる。

王道のテーマを選んでいるからこそ、こういう物語としての小技みたいなものが効いていて、私は目が話せなくなっている。誰にでもできる安易な恋愛ではなく、こういう形式の物語だからこその恋愛テーマの扱い方をする必要性が生まれてくる。

 

「既視感はあるけれど新しい」みたいな。

勿論、これを読んでいる中学生は私にとっての涼宮ハルヒみたいな、培われていない王道を突きつけられて新しい世界を垣間見ることになるんだろうね。それもラノベの素晴らしいところだ。ライトノベルの語源に通ずる役割を果たしているというか。

 

とにかく、派手な戦闘シーンも露骨なお色気シーンも美麗な作画も無いが、「必要十分なラノベアニメ」だと思うし、SFってどういう意味なん?みたいな人にこそ観てほしいアニメだ。

秋アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」日常系SFファンタジーでちょっと面白い

秋アニメ始まりましたね。

今期もいろいろとめぼしいアニメはありますが、「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」というアニメは見ていますか?

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1話~3話のヒロイン 桜島麻衣

峰ヶ原高校の2年生・梓川咲太は、ある日、図書館でバニーガールと出会う。その正体は、咲太と同じ高校の3年生で活動休止中の国民的女優、桜島麻衣だった。周囲からひと際目立つ麻衣だが、何故か彼女の姿は周囲の人間には見えていなかった。
麻衣から金輪際、私に関わるなと言われるも気になった咲太は翌日、駅のホームで見かけた彼女に話しかける。そして咲太は、麻衣の身に起こっている不思議な現象について聞かされる。

と、あらすじはこんなかんじ。今年で25周年になるラノベの鉄板レーベル・電撃文庫から原作小説が出ているアニメだ。

私と言えばラノベアニメについてちょっとだけ偏見を持っていることで有名ですが、このアニメはちょっと面白いと思ったので紹介してみるよ。

 

青春ブタ野郎」は、基本的には現代の高校、しかも神奈川県は藤沢という実在の土地を題材にしているということで現実的な背景がありつつも、「思春期症候群」という言葉が一般的に認知されている世界だ。

この「思春期症候群」がどうやらこのアニメをSFというかファンタジーたらしめるもので、よく言う「中二病」とかとは全然意味が違う。

例えばメインキャラクターの一人である主人公の妹・梓川カエデは中学時代にSNSによってクラスメイトからのいじめを受けたところ、心の傷が実際に体を傷つけ、血が吹き出すといった現象に見舞っている。

これは自傷行為の隠喩とかではなく、実際に次々体に裂傷が刻まれていくさまが1話で描写されている。

 

まあ、こんな風に「現実では有りえない事象」が起こりうる世界のお話というわけだ。

そんななか、先程画像で登場したメインヒロイン・桜島麻衣も同じように思春期症候群にかかってしまう。そんな先輩と出会った主人公の梓川朔太は、先輩のみに起こるちょっと不思議な出来事に巻き込まれていく…。

 

ジャンルを一言で言えば「日常系なんちゃってSFファンタジー」だ。全然一言じゃねえ、っていうのはおいといて、まあこういうのはラノベだとよくあるんじゃないかな。「涼宮ハルヒ」とかね。

言ってしまえばこの手のSFっていうのは擦られすぎているような気もするが、なんとなく懐かしい雰囲気がして見入ってしまう。

 

台詞やモノローグはいわゆるラノベ文法で、無駄に回りくどくてめんどくさい言葉を使った言い回しって感じ。これに関しては、最近のラノベだなあって感じ。

しかも、主人公の朔太くんはいわゆるヤレヤレ系主人公だ。私はヤレヤレ系主人公好きなんだけどあなたはどう?これって結構好き嫌い分かれるよね

キョンとか、折木くんとか、なんか落ち着いている主人公って憧れなんだよね。私自身が普段落ち着きが無いからなのかもしれないけれど、現実でも好きな男性のタイプ(BL的な意味ではなく)がクールな男だったりするので、「青春ブタ野郎」の朔太くんも全然好き。

 

ところでこういうのって、せっかく学校が舞台なんだから何かしらの部活だったりサークルだったりを作るのかと思いきや全然そんな事無くて、過去に暴力事件を起こして孤立している主人公の周りには数少ない友人の国見佑真と学校唯一の科学部員の女子・双葉理央と妹のカエデだけ。

この科学部の女子っていうのが、とりあえずアニメ見た限りでは1番頼りになる存在で、いろんな科学トリビアを披露して不思議な出来事を理論付けようとしてくれる。まあ、実際は摩訶不思議なファンタジーなので理屈なんて存在していない事件なんだけどね。

 

とにかく、今はまだ3話しか見てないのもあるけど、とても人間関係が狭い。その中で、思春期症候群の原因である「周囲の空気」に立ち向かっていくことがこのアニメの燃えるところだ。

 

有識者ならこのアニメを社会問題と結びつけてどーたらこーたら言えそうだが私は幸いにも有識者ではないのでそんな事は言わない。ただ、周囲の空気に従ってイジメに加担することに、見て見ぬふりをすることに、安全策をとって逃げることに対して、凡人である主人公が一石を投じる。たったそれだけのテーマに絞っているからこそとても見やすいアニメだ。

 

ラノベだけあって難しすぎないSFだ。SFをあまり見ない人でも、高校生が題材になっているのに加えて恋愛要素のようなテイストが加わって見やすいんじゃないだろうか。こう書くと本当にごった煮だな…。

 

余談だけど、どうやら「藤沢」以外にもいくつか現実の地名が登場するらしい。2話では岐阜県大垣市が登場して何だそのチョイスとなった。まあ、こういうところでありえない設定のアニメを現実に落とし込んでいる感じがして良い演出になっていると思う。他にも気になるアニメが多い2018年秋アニメですが、ぜひ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」を見てみてはいかがでしょうか。

アニメ「ARIA」の町並みをVRで体験できるアプリがあるらしい…

ARIAの説明からしたほうが良い??しなくていい??するわ。

ARIAっていうのは原作・天野こずえによるSF日常漫画だよ。火星をテラフォーミングした水の星に浮かぶ「ネオ・ヴェネツィア」という架空の街を題材にした少女たちの成長&日常物語だ。既に3度のTVアニメシリーズと、劇場版OVAも公開されている。

今年の春にアニメ2期をやっていた「あまんちゅ!」と同じ原作者で、クロスオーバーなども行われている。

公式でヒーリングアニメだとかヒーリングコミックだとか言うくらい、とにかくこの物語は眺めているだけで幸せになるような暖かな物語だ。もし100年前にARIAがあれば人々の心は安らぎ、WW1なんて勃発しなかっただろう。

 

 

正直、私は自分の好きなものを過度に神格化しすぎるところがあると思うが、それを差し置いてもめちゃくちゃ最高のアニメだ。永遠に観ていたいアニメNo.1と言っても過言ではない。私の夢はリアルに将来ヴェネチアに移住することだ。

 

まあ、というように私のようなARIAに虜になった人間は非常に多い。アニメ1期は2005年の放送で、既に13年の歴史があるが、それでも未だにオンリー同人イベントが開かれるほどだ。

 

そう、今回の本題はオンリーイベントについてだ。

11月に開催されるARIAオンリーイベントARIA CARNVAL15」で出品される作品に、なんとVRARIAの街並みを再現したアプリが出展されるとのことだ。

こちらがその陰謀を図っているノーベルチョコ氏のツイートだ。

 ノーベルチョコ氏はこれまでもカスタムメイド3d2を用いてヨーロッパを中心とした風景・街並みのMODを作成してきた方だ。ツイートを拝見しているとどうやら海外出張がてら様々な街へ旅行し、データを集めてMOD作成をしているらしい…すごい。技術を持っている人が本気になるとこんな事出来るのか…

 

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Twitterのデモ映像より。あのウンディーネの姿も

そんなノーベルチョコ氏が9月にヴェネチアに旅行し、そのデータを使ってネオ・ヴェネツィアの町並みを再現したらしい。そして11月のオンリーイベントでそのVRアプリの展示を行うんだとさ。何だそりゃ!!最高かよ!!

 このように、実際に歩いて見せた動画もTwitter上に投稿されている。アニメや漫画で観た場所が出てきたり、あるいは主人公・灯里ちゃんの寝泊まりしているARIA COMPANYも再現されているのかな??と期待。

 

ブログには記事を上げていないけれどちょうど10月の頭にVR機器を購入したので、こんなタイミングで素晴らしい情報が舞い込んできたことにテンションがあがりまくりだ。

 

ただ、本当に惜しむらくはオンリーイベントの開催が川崎なんだよなあ。

私は名古屋住みなので、大学をズル休みして川崎まで行くのはちょっと大変なのだよなあ。こういうイベント関連の話になると関東住みの人が羨ましいぜ 。

 

私のような人もたくさんいると思う。がどうやらイベント後に何らかの形で公開するらしい。めちゃくちゃありがてえな。課金させてください。

 

こういうふうに、良い作品が長く人々に愛されているのは嬉しいことだ。今年の年末も5chのARIAスレで「アウグーリ・ボナンノ」と書き込むことにしよう。

 

そこのARIA好きなあなた、VRヘッドセットこれを期に購入するのも悪くないんじゃないですか??

そこのARIA未視聴のあなた、日常系アニメの金字塔ARIAを今更とか思わないで見てみませんか?素敵なひとときをご一緒しましょう??

復活した最強の音楽再生ソフト「Winamp」の思い出を平成生まれが語る

Winamp

かつて未だCDでの音楽再生が主要だった時代に、いち早く軽量かつ高音質な.mp3ファイルを用いた音楽管理&再生を世界中に広めたソフトだ。

 

古くは1997年にシェアウェアとして発表され、その後はユーザーによるプラグインやスキンの作成、視覚的なインターフェースによる音楽ファイルの管理、更にストリーミング再生によるネットラジオの視聴が可能になるなど数々の功績を残した、デスクトップオーディオ界では伝説的なソフトだ。

 

しかし、2002年ごろのアップデートを期に動作の重さ、不安定さが問題となり徐々にシェア率は低下、そして2013年には公式に開発中止が発表されている。しかしその功績は多大で、後のiTunesやfoober2000といった音楽管理ソフトの礎を築いたと言っても過言ではない。

 

…っていうのがWinampというソフトの歴史になるんだけど、実は2018年10月16日本日、Winampの新バージョンによる復活がアナウンスされた。

バージョン配信は2019年中とのことだ。

装い新たに登場するWinampはPC内の音源は勿論のこと、クラウドポッドキャスト、ストリーミングラジオ局、自分で作ったプレイリストなどさまざまな音楽をWinampで聴くことが可能になるとのこと。

以下の記事ではこのように紹介されている。

これまでは、スマートフォンの音楽プレーヤーに加えてストリーミングサービスやポッドキャストなどのアプリがスマートフォンにいくつもインストールされて使い分けてきましたが、Saboundjian氏の発言からは、その煩わしさを解消するワンストップ型のアプリ/サービスになるものとみられます。

世界的人気を誇った音楽プレーヤー「Winamp」がクラウド再生やストリーミング対応して2019年に復活予定 - GIGAZINE

 

2019年に発表されるWinampの新バージョンは、windowsだけではなく、AndroidiOS向けのアプリケーションも用意されているとのこと。

自分の話になってしまうが、私は現在自宅では据え置きのネットワークストレージ(NAS)に音源を保存しiPadで操作・再生をしつつ、同時にストリーミングサービスSpotifyも用いることがある。

本来であればNAS内の音源を管理するアプリを用いてそのままSpotifyも管理できればよいのだが、残念ながらそのようなことは出来ない。

理想で言えば自宅内の音源とストリーミングの音源をごった煮にしてプレイリストにすることができればよいのだが…。

 

現在、日本では正式にサービスが始まっていないTidalというストリーミングサービスと、音楽管理アプリケーションRoonを用いることによって上記のような"ローカルとストリーミングの垣根を超えた音楽管理"をすることが可能である…らしいのだが、残念ながら国内アーティストの配信が無いことと、Roonを用いるための設備投資、それにRoonアプリケーションの年額を支払うことが今の私には難しいのでただ指を加えていることしか出来なかった。

 

もしWinampが上記記事で期待されているように”その煩わしさを解消するワンストップ型のアプリ/サービスになる”とすれば、Winampの復活を応援せざるを得ない。

まあ、まだ発表があったというだけで詳しくは全くわからないのだが、続報に来たいということで。

 

Winampの思い出を語ろう。こっちが本題だった。

 

Winampは1997年に発表されたソフトだと先程言ったが、何を隠そう、というか隠すつもりもないのだが私の生まれ年も1997年である。

つまり、最もユーザーに支持されていたWinampの黄金期はちょうど私が保育園で友人の井上くんと、パチンコ屋の広告から水着美女を切り取ってスクラップする「えっちえっちクラブ」を結成していた頃の話だ。なにそれ?

 

そんな私が中学生になると、いよいよPCの自作に手を出すことになる。自らの手で収集した格安ジャンクPCパーツを集めて完成させたPC。更になけなしの小遣いで玄人志向というメーカーの音声用パーツを買い、オヤジのミニコンポを勝手に自室に持ち込み、PC内に保存したニコニコ動画からDLした(真似しないでね!)ボーカロイドの楽曲を夜な夜な再生していた。

 

ボロボロのクソゴミ性能だったけれど当時の私は「できるだけお金をかけずに性能を良くする」ということに全身全霊をかけていた。というか、それが自作の醍醐味でもあったことだしね。

 

そんな貧乏精神をもちつつ、「もっと高音質で聴きたい」と思ったのが私のPCオーディオの、加えては私の人生を大きく揺るがすオーディオ界への入口になったのである。

Winampフリーソフトであった。PCで音楽を聞こうとしてもどうしてもWindowsのプリインストールソフトではクソカスのゴミゴミだったので耐えられなかった。

当時はすでに懐かしのipod nanoを持っていたのでiTunesでも良かったのだが、インターネットを調べているうちに「音楽再生ソフトの種類で音質が変わる」という情報にぶち当たった。

これに関してはもはやオカルトと言っても過言ではない世界の問題でもありつつ、しかし中学生の私にとっては「少しでも音質を良くしたい」という欲求にかられてオカルト沼に入り込んでいくのだった。

 

とはいってもWinampの音質が良いのには勿論オカルトではなく仕組み的な理由がある。

スマートフォンを利用していると複数のアプリから同時に音が出ないのを不便に思ったことがないだろうか。音楽を聞いたままYoutubeの動画を見ることが出来なかったり。

Windowsで音を再生しようとする際には、複数個のソフトウェアが再生しようと試みる音源を一旦OS側で全て受け取り、同時再生できるように処理を行うことによって複数の音源を再生している。逆に、そのような処理を行っていないOSでは複数のソフトから同時に音を出すことが出来ないのだ。

 

そんな、一見すると便利なWindowsの機能だが実はこの機能によってWindowsで再生できる音楽は音質が劣化してしまう。

それを回避できるものがWinampプラグインに存在するのだ。

まあ、現在ではほとんどの音楽再生ソフトで当然のように搭載されている機能だが、当時の私はこのような「高音質化プラグイン」、そして自分の自在に組み替えられるスキンの多様さに心惹かれWinampを使用していた。

 

ただし、次第にPCゲームにのめり込むほどにより軽量な音楽再生ソフトを求めはじめ、Winampから乗り換えてしまうのだが…

 

まあ、何はともあれWinampというソフトの存在が、生まれて初めて「音質」というのを考える切っ掛けとなったのは事実だ。現在ではオイクラ万円なのか口に出して言えない機器がゴロゴロ並んでいる貧乏学生の6畳間を住処としているので、そんな私にとってはWinamp復活というのはとても懐かしく、そして期待できるニュースだったのでした。