olasonic NANO-NP1 レビュー
小型、低価格ながら高音質なネットワークオーディオプレーヤーのレビューです。
購入
NANO-NP1を購入する以前、私はかの有名なpioneer N-30を使用していました。機能的にはAirPlay、DLNA、インターネットラジオなど十二分なもので、ネットワークオーディオのなんたるかを教えてもらった機種です。
が、なんといっても操作性が悪い。
この専用アプリの前時代的なGUIがどうにかならんもんかと考えておりました。
そもそもDLNA用のプレイヤーアプリが少なすぎませんか?ただでさえ純正アプリがこのざまだと言うのに私が唯一その純正より使いやすいと思ったアプリが
これぐらいしかなかったっていうのも…あんまり需要ないのかなこういうの…
そんなこんな操作性に難あり、という欠点を抱えたまま使用していたある日、bubble UPNP server というものの存在を知りました。これは手持ちのネットワークオーディオプレイヤーをOpen Homeという、ネットワークオーディオをもっと快適に利用するための機能体系に対応させるシステムといえば分かりにくいでしょうか。分かりにくいでしょうね。
ともかくこれをネットワーク上で動かしておくとネットワークプレイヤーの操作性が良くなるのです。そしてこのシステムはPC、もしくはQNAP製のNASにインストールすることができます。
PCの場合は音楽を聞く際にわざわざ電源をつけてソフトを起動させないといけないので、実用的な方法としてはQNAP製NASを購入してそこで動かすことですね。NASの電源なんて四六時中ONにしてますし。
と、言うわけで快適なネットワークオーディオ環境が揃いましためでたしめでたし。とは行かないんですよね。bubble UPNP serverでOpen Home化すると、ネットワークプレイヤーによってギャップレス再生ができるものとできないものに別れてしまうんです。
ギャップレス再生ができるプレイヤーの中で一番安価だったのがこのNANO-NP1という機種だったわけです。以下は実際に使用してみた上での感想になります。
機能性
上記の通り、この機種の大きな特徴はbubbleUPNPserverを用いてギャップレス再生のできるopenhome機として使えることです。
openhomeを用いると既存のなーんか使いづらいなーってアプリに加えて「LUMIN APP」や「kazoo」などの高品質なアプリを使うことができます。(ある程度機能に制限はありますが)。
どこが高品質かといえばやはりアルバムアートのタイル表示ですね。iTunesをPCで使われている方なら馴染み深い表示だと思います。例えばLinn Kazooの場合は
[引用:https://itunes.apple.com/jp/app/linn-kazoo/id848937349?mt=12]
こんな感じに見やすく表示してくれるので、目的のアルバムにすぐたどり着けるわけです。私はタイル表示にある程度のこだわりを持っていて、かの有名な再生ソフトfoobar2000もゴリゴリにカスタマイズしてタイル表示を使っていました。そのほかにWinampやmusicBeeなど、pcなら当たり前のタイル表示もネットワークオーディオで使おうと思うと一苦労ですね。
長々とopenhomeの使い勝手についての解説になってしまいましたが、nano-NP1そのものについてはあまり多くの機能を持っているわけではありません。
対応フォーマットは192kHz / 24bitまでと最低限でDSDなども再生できません。
入力には光と同軸端子がそれぞれ1つずつ、出力も光と同軸が1つづつあります。
構造はジッターフリーになっていて、アップサンプリングで 48/96/192kHzに切り替えることができます。もちろんネイティブ出力も可能です。デジタルの入出力端子があるので単純にアップサンプリング用のDDCとして使用することもできるみたいです。
特筆すべきは大きさですね。olasonicのNANOシリーズに共通する特徴としてそれぞれのコンポーネントがCD3枚分になっています。
無線機能はAirplayはおろかBluetoothもついていないので基本的にはやはりネットワークオーディオプレイヤーとしての使用が主になりそうです。
音質
音質についてですが、非常に硬質な音がするという感じでしょうか。すくなくともN-30と比べると解像度という点では良くなってはいますが…なんというか乾いた音って感じですね。
N-30の音質は価格からしてもお世辞にも良いとはいえませんでしたからノイズが減ったことによる印象だと思います。
とはいえ音質が悪いというわけではありません。もっと言えば操作性と音質がトレードオフされている、というわけでもないです。この操作性の上に音質が一定レベルあるので使用する価値はあります。
前述のbubbleUPNPserverでギャップレス再生が可能になっているネットワークプレイヤーの中にはmarantzN11S1なども含まれているため、10万円台まで出せる方ならこちらを用いたほうが良いかもしれません。NANO-NP1は少なくとも「貧乏学生が満足できるレベル」の音質は備えています。
ただ個人的には、低価格帯に限って言えばCDからリッピングした音源をNWP然りPCやipodで聞くよりはCDをそのまま再生したほうが高音質だと感じていますので、十万円台のNWPの場合はまた印象が変わるかもしれません。
総評
すべてのネットワークプレイヤーの操作性に悩む人に教えたい機種です。YAMAHAやpioneerやDENONのネットワークプレイヤーを使っている人もみんなbubbleUPNPserverでopenhomeを使ってみましょう。LUMIN APPを使ってみましょう。ギャップレス再生がしたかったらNANO-NP1を使ってみましょう。
せっかくネットワークプレイヤーを使っているのにpcより不便なら意味ないと思います。NANO-NP1で快適なネットワークオーディオライフを!!(ダイレクトマーケティング)