「シャイニーカラーズ」は私のアイマスに対する不満点を全て拭い去ってくれた。
新作のアイマスがサービス開始してからいよいよ一月を迎えようとしているが、いかがお過ごしでしょうか。
アイドルマスターシャイニーカラーズ、通称シャニマス。リリース当初は新たなアイマス作品の登場を喜ばれつつ、一方で不満も出つつという状態だったが流石に3週間も経つと大分受け入れられて来たと思う。
この記事では新作に向かう新野の個人的な思いを書き綴っていこうと思う。
そもそもアイドルマスターとはなにか?
アイドルマスターはアーケードゲームに端を発し、「XBOX360」を始め「PSP」、「PS3」、「PS4」などのコンシューマ機にシリーズを展開するギャルゲーである。
メディアミックス展開も幅広く、またシリーズ作品も多くあるのでインターネットをしていれば目にする機会もあるはずだ。
「シャイニーカラーズ」はそのアイドルマスターシリーズ最新作としてスマートフォン向けにリリースされたゲームである。
今記事ではそんな「シャイニーカラーズ」の、私見による特徴を他のアイマスゲーとの比較をもって見ていこうと思う。
私がアイマスに初めて触れたのはアニメ「アイドルマスター」放送された2011年。中坊だった私はアニメ24話で感涙してしまい、これはいかんとその日のうちに近所のゲームショップまで自転車を走らせて、荷台にXBOX360とゲームソフトをくくりつけて自宅まで漕いだ記憶がある。
私にとってはアイマスはギャルゲーだった。13人のキャラクターはみんなそれぞれにストーリーが有り、プロデューサーこと私と一緒にトップアイドルへの道を駆け抜けていく。その過程で信頼関係が生まれたりあるいは…みたいな。
アニメでは各キャラクター同士の関わり合いが強かったが、ゲームをしてみるとそこで重視されているのは主人公たる自分と担当アイドルという、たった2人の物語だった。
しかしその様な傾向は少しずつ薄れていく。ゲームが進化してキャラクター同士の関わり合いが見られるようになるたびに、プロデューサーという存在が数値あるいは称号だけの存在になるうちに少しずつ、2人だけの世界は広がっていき、そして希薄になってしまった。
スマホ向け「アイマス」ゲームあれこれ
スマホ向けのアイマスゲーはシャニマス含めて現在5つ存在する。
その一つは「アイドルマスターシンデレラガールズ」。これはモバゲーから配信されているサービスで、アプリではなくブラウザ上で動くゲームだ。
モバゲーの事を知っている方ならわかっていると思うし、なんならプレイしている人も多いだろう。要はモバゲーのゲームというものはそもそも携帯電話(ガラケー)向けのゲームとしての傾向が強く、「シンデレラガールズ」も時代を重ねる毎にマイナーアップデートはされているものの、現在のスマホアプリ全盛期において未だにサービスが続けられているというのはひとえにユーザーの力が強いからだろう。
同じような方式でかつてGREEでサービスが配信されていた「アイドルマスターミリオンライブ」も、2018年3月19日をもってサービスが終了された。
で、私といえばこれらのゲームに全くハマることが出来なかった。以下に書くことは私の私見である。
理由は簡単なことで言えば、当時中高生だった私は携帯ゲームの課金に回す金銭的な余裕など無かったためだ。また、これらのゲームはきちんと楽しもうと思うと課金に加えて時間の余裕が必要であったのだ。
で、もっと深く言えば私はこれらのいわゆるソシャゲが全然面白くないのだ。ポチポチゲーと揶揄されることも多いが、とにかくケータイのボタンを何も考えずにポチポチやることが求められるゲームだった。
ガチャやイベントで手に入れたカードをデッキに加え、ポチポチ。ポチポチして手に入れたカードをデッキに入れ、ポチポチ。なんこれ?
というわけである程度はプレイをしたものの、結局は飽きてしまった。
こんなもの、アイドルプロデュースじゃない。くっ…。
ただ流行りのポチポチゲーというプラットフォームに、アイドルマスターという名前を冠しただけのものだ。
そう思ってしまった。
私の思い裏腹にこれらのゲームは驚くほどの広がりを見せ、私を更に置いてけぼりにしていった。
そして3年前、スマホゲー界に衝撃走る。
既にシンデレラガールズは魅力的なキャラが多く、プレイヤーの間では存在感が板についてきた頃の話。
「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」(通称デレステ)配信開始である
なにが衝撃的だったかというと、アイマスのリズムゲームではこれより少し前に「シャイニーフェスタ」がPSPで発売されたものの、収録曲が少なかったりPVがプレレンダリングであったりなど、あくまで音ゲーとしてみた場合にソフト自体、あるいはPSPの性能からくる不満点も少なくないものだったのだ。
それに引き換えデレステはスマホゲーであるため楽曲やコミュの追加が恒久的に望めるし、スマホ端末のスペックも大幅に上昇していたためPVもリアルタイミングで3Dモデルを動かしたりと上記の不満点をことごとく解消していく素晴らしいアプリだった。
ただ、音ゲーになってしまったためプロデューサーの存在はさらに希薄になっていった。
プロデューサーとはゲームプレイヤーの事を呼称する名称になってしまったのだ。
ゲーム中ではゲームをプレイする毎にプロデューサーLVが上がったり「○○担当プロデューサー」と称号がもらえたりするものの、そこにあるのは数値と称号であり、私は「プロデューサー」ではなく「音ゲーをプレイしてるそこの人」だったのだ。
更にミリオンライブはGREE版の配信を終了し、全面的に去年リリースされた「アイドルマスターミリオンライブ シアターデイズ」(通称ミリシタ)へとサービスが移行した。
私はこれらのゲームの曲も好きだし、キャラクターも魅力的だと思う。しかし、ゲームとして私はプロデューサーがやりたかったのだ。
音ゲーをプレイしてレベルを挙げると開放される、あるいはイベントのたびに配信されるコミュではアイドル同士がキャッキャウフフと会話している。そこにプロデューサーなど存在していない。居るのは画面の前でニヤニヤしているキモオタ私だ。
「シャイニーカラーズ」に対する当初の不安点
そんな時に発表されたのが「アイドルマスター新作」。2017年のTGSの情報で知ったのが初めてだった。当初の情報は「全く新しいキャラクターで」「全く新しい舞台で」「ブラウザゲームで」というぐらいしか無かった。
不安だ…
そもそも現在アイマスキャラは膨大な数存在する。765ASと呼ばれるアーケードの系譜を継いで根幹となっている13人
DS用ソフト「ディアリースターズ」が3人
と、ここまではそもそもハードやソフトの容量によって人数にある程度の制限が設けられていたことも有り程々の人数である。
が、スマホ向けゲームが増えたことによりその人数は急激に増えていく。
ミリオンライブのキャラクターで39人
女性向けアイマス「SIDE M」より45人
そしてシンデレラガールズのキャラクターで186人
そして新作でどれだけの人数が増えるのか。
私個人としてはどのキャラも魅力的ではあるのだが、人数が多いとその分全てのキャラに思い入れを入れることが出来ない。そういう意味で、シンデレラガールズやミリオンライブに深くハマれなかった過去がある分、新作アイマスはとても不安だった。
しかしそんな事よりももっと不安だったことが、ブラウザゲームであるという点。
ここ数年、艦これや刀剣乱舞などでブラウザゲームがちょっとした復権をしてはいるものの、アイマスでブラウザゲーといったらやはり「シンデレラガールズ」が思い浮かぶ。私が「シンデレラガールズ」に苦手意識をもっていることは前述のとおりだ。
そもそもいまさらブラウザゲー???2018年ぞ?
そして配信スタート
そんなこんなで配信が開始された。
まずキャラクターは全員で16人。ちょうどいい人数だ。
で、不安だったブラウザゲーという点だが、これもHTML5を使用することで全く従来のブラウザゲーと違っていて、そもそもスマホでプレイすることが推奨されている。GUIなども他のアプリなどと同じレベルで洗練されている。
この時点で不安だった点は解消された。
で、肝心なゲームについてだが…
これが、ギャルゲーなのである。まごうこと無く。
アイドルをトップアイドルへ導くプロデューサーのゲームなのだ!!!
これこそ本来のアイマスの形だ。
物語はアイドルをスカウトすることから始まる。
レッスンをこなしつつ、適度に休暇を与えつつ、オーディションに挑んでTV出演を勝ち取る。
コミュでは適切な選択肢を選ぶことでアイドルからの信頼度が上昇する。
これが、スマホでできるというのが重要で、しかも音ゲーと違ってゲームする上でイヤホンなどが必要というわけではないので手軽なのも好感が持てる。
思えば、ミリオンライブやシンデレラガールズもこの様な形式でゲームが配信されていればもっとハマっていたのになあと。
なんだかんだ言ってもアイマス最高なんだけど
不満点こそあれど、結局は私はアイドルマスターというコンテンツを受け取ってとっても楽しんでいる。
シンデレラガールズのメディアミックス展開はすごく勢いがあるし、ミリオンライブは運営の熱意に心動かされることもある。
ゲーム自身だけでなくコンテンツ自体に魅力があるのがアイマスの特徴だと思う。しかし、だからといって自分にハマるゲームがなければコンテンツ自体の魅力も減ってしまう。
音ゲーばかりだったアイマスのスマホゲーに、新たな選択肢が増えたことはユーザーとしても、コンテンツのさらなる発展を願う身としても、とてもうれしい。
願うべくは「シャイニーカラーズ」も末永く続いてほしいということだ。