鮮やか土色

アニおと!!見聞録~アニメと音楽の個人ブログ~

アニメと音楽に関する個人ブログです。アニメやAV機器のレビューをします。

土色鮮やか

画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明

劇場版「フリクリ プログレ」各話解説と感想と考察【ネタバレあり】

公開から1週間も経ってしまったけれど、プログレ見てきました。

オルタナに次ぐ新作フリクリということで、それぞれいろんな解釈を持って接していると思うけれど、とりあえず私自身の備忘録的な意味で解説記事を書いてみる。

 

全然余談だけれど、フリクリってOVA版だと何度も見返すたびに認識が変わることって多々あったから、ファーストインプレッションを残しておくことで2回目、3回目の視聴がもっと楽しめるかなと。モチロンBD予約済みです。

オルタナの感想は以下より。

azayaka-tuchiiro.hatenablog.com

オルタナの解説記事ではOVA版との差異に注目していたけれど、プログレではそれよりも各キャラクターに視点を当てたほうがわかりやすいと思うので、そういうスタンスで考えていくよ。

ただ、自分なりの見解をまとめたものなので真偽とかそういうのは置いといて、こういう見方もあるのかって感じで見てくださいね。

記事中の画像はいずれもPVから拝借しています。

第1話「サイスタ」

第1話のサブタイトルはサイスタ。タイトル画面にRe:Startって書いてあるとおり再スタートの略かな。関係ないけどOVA2話のサブタイトルは「ファイスタ」だったね。

やっと私は思い出す。私が要するに中学生だったこと。特別なことなんてずっと何もなかったってこと。

 プログレでは毎話ヒドミの夢の話から始まる。第1話では体が少しずつ崩れていって、ロボットになっていく夢。夢の中では迫りくるメディカルメカニカのプラントを打ち砕いていた。

この夢について、観てすぐは正直良くわからなかった。ヒドミの夢はこれから起こることを暗示したなにかであるということばかりは理解できたが。これについては後述する。

 

1話で特筆すべき事柄と言えばOPの映像だろう。主題歌「Spiky Seeds」に乗せて、ハル子がジンユとラハルに分裂するシーンが描かれている。

そもそもプログレの中でのハル子の立ち位置ってどうなってるの??というのは事前情報の中でも気になっていたことだった。ラハルは見た目こそはハル子と同一であるが声優は林原めぐみになっているし、髪の色も若干違うし。

OP映像では、恐らくナオ太と別れた後のハル子の姿が描かれていた。というのも、OP映像に登場したハル子はツインギターを持っていたからだ。

f:id:shinnonno:20181008145135j:plain

OVAでのラストシーン

このツインギター(片方はベースだけど便宜上)はナオ太が4話で使ったフライングVと、5話でカンチが使ったアトムスクギブソンEB-0、それをナオ太が6話で海賊化した際に一緒に使った際に出来たものだ。ハル子は自分が持っていたRickenbackerのベースをナオ太のもとに置いて、代わりにこのツインギターを持ってアトムスクを追う旅に出た。

 

で、ハル子が分裂してラハルとジンユに分かれる際には、そのツインギターも同じように分裂した。プログレ本編中ではそれぞれラハルとジンユが使うギターは違う。

f:id:shinnonno:20181008145616j:plain

PVから拝借した画像なのでわかりづらいが、ラハルはアトムスクのEB-0を使用している。そして、ジンユはと言うと…

f:id:shinnonno:20181008145650j:plain

フライングVではない。このギターは恐らくジャズマスターと呼ばれるタイプのギターだ。

OP映像中で注目するポイントは、ハルコとジンユが宇宙空間のデブリの中に例の黄色いベスパを置いていったこと、そしてそのベスパにフライングVが立てかけてあったことだ。ボディはベスパに隠れていたがヘッドの形状からして恐らくフライングVだったはずだ。

違いました。断定していてはずかちい

ここで、ラハルがEB-0を使用していることと、ジンユがフライングVを置いてジャズマスターを使用していることというのは、キャラクターの性格を表す1つのポイントであるように私は思う。

 

ラハルはプログレ本編中に置いて、一見したところでは見た目も相まってOVAのハル子と同じように描かれているようにも感じられる。が、やはりそれには欠けている部分がある。視聴しているときに「こんなのハル子さんじゃない!」と感じさせるポイントは意図的に作られていたように感じる。

例えばOVAでは表向きは自分本位で好き勝手なことをしつつも、6話では「どこに行ってたんだよ、急に居なくなってさあ」と抱きついたナオ太をなにか言いたげな顔で慰めてやったり、ナオ太の家出に付き合ったり、オルタナではカナにちょっかいを出したりとよく考えれば人情味というか、人間らしさのようなものが見られた。

プログレのラハルはそんなこれまでのハル子のうち、わかりやすく自分本位な面、もっと言えばアトムスクへの執着から周りのことをめちゃくちゃにしても構わない、というようなわかりやすくヒロイックな部分だけを切り取って作られたキャラクターのように思える。

その結果これまでのハル子とラハルは同じような別人という扱いで登場し、現に見ている人にどこか違和感を植え付ける存在となった。

 

そう考えればジンユは、ラハルと対比してハル子の人間的な部分を切り取って作られたキャラクターであるということだろうか。

メタ的に考えれば、視聴者が考えるハル子をわかりやすくモデリングした結果、見た目や声、破天荒な行動にハル子の姿が現れているのがラハル。

対して、一見すると表に現れないハル子の人間的な部分をモデリングした結果、見た目や声は全く別人だが家政婦という立ち位置などにハル子の姿が現れているのがジンユということだ。

 

このようにして形作られたジンユがナオ太のフライングVを使っていないことは割と理解できることなのではないだろうか。後の話になるが第5話「フルプラ」で、ジンユのバットで立ち向かう井出に対してラハルが「自分のバットで勝負しなきゃ~」と言うとおり、ナオ太が"ハル子"に託した自分のギターを"ジンユ"が使うわけにはいかない、みたいな。まあ、これに関しては完全に憶測だけれども。

 

OP映像だけでめちゃくちゃ長くなってしまったが、まあ第1話本編ではそんな特筆すべきこともないだろう。強いてあげればプログレでは強力なN.O.を持っているのがこれまでのシリーズと違いヒドミと井出の2人もいるということだろうか。

またしても余談だけど、OPでカナが出てきたの嬉しかったな。モチロン、ナオ太やマミ美の姿が描かれていたのもそうだったけど、繋がってるんだなって感じがして。

第2話「フリハニ」

第2話のサブタイトルはフリハニ。ジンユとラハルの戦闘シーンで使われたのが「Freebee Honey」だったからなのかな?

第2話では井出がメインに語られている。というか、フリクリで男性キャラクターが魅力的に描かれているというのは珍しいな。オルタナではカナが佐々木に惚れてたけどそんなかっこいいキャラでもなかったし。OVAのかっこいい枠はカンチだったし。

貧乏ながら自分で働きお金を稼いで、ありえないような事態に巻き込まれてもアタフタするんじゃなくヒドミを守るために躍起になったり、ある意味わかりやすく魅力的に描かれているキャラクターだと思う。井出の存在によってこの物語はボーイミーツガール的な側面をもつことになった。

井出がこれ程までに魅力的に描かれている理由は、今回ハル子(ラハル)がヒーロー的な役回りを放棄しているからだと思う。これについては第3話の解説で詳しく話そう。

 

2話の見どころと言えばなんといっても戦闘シーン。正直言ってたまらなかったね。私はロボットアニメが好きなのだが、2話では明らかにオマージュされているシーンがいくつか見られた。

ジンユの乗っていた車、ベルモアが変形して人形になるのなんてトランスフォーマーか?と思ったらデザイン的には(逆関節とか!)マクロスに出てくるバルキリーだし、かと思ったらエルメスのビットみたいなものを使ったり。

f:id:shinnonno:20181008155059j:plain

分かりづらいんだけど、変形したベルモアがミサイルを発射するシーンあるじゃないですか。あのときのベルモアの装備って明らかにバルキリーのスーパーパックだったし、ぐるぐる回りながらミサイル撃つシーンとか「愛・おぼえていますか」のフォッカーのシーンだし、ミサイルの動きも板野サーカス意識してたし。

正直ミサイル作画が大好きな私にとっては、フリクリでミサイルが見られるなんて!と感動したシーンでありました。パンフレット買った人は、この画像とベルモアの変形後の画像を見比べてみてほしい。

f:id:shinnonno:20181008155424j:plain

VF-1 ロイ・フォッカースペシャル スーパーパック

そういう意味で行ったら井出の名前もイデオンから持ってきてるのかなとか勘ぐっちゃうよね。

ところで、1話で井出とヒドミを襲ったメカが2話でまたしても登場した。どこに行ったのかと思ったら学童の交通整備をしていたけれど、行方不明になったメカが緑のおばさんになるのってOVAのカンチ然りなんか通例でもあるの??

第3話「ミズキリ」

第1話、第2話と、ヒドミと井出にスポットを当てつつなんとなく進んでいた物語が、第3話以降では少し違った切り口で描かれるようになる。

具体的には群像劇のような、それぞれのキャラクターの行動がバラバラに描かれるといったものだ。ジンユは埋められ、ヒドミはラハルに拉致られ、井出はヒドミを追いかけ、森くんはレンカノのアイコを気にかけ、マルコは森くんを追いかけ事の真相を知ってしまい、ラハルは自分の目的のために突っ走る…といったような。

このような描き方はOVAオルタナではあり得なかった。なぜなら、ハル子という絶対的なストーリーキングが居たからだ。ハル子不在の今作だからこそ出来た描き方だ。

 

印象的なシーンで言えば、3話の最初にラハルが日焼け止めを塗ってくれと頼むが、それに答えたものは結局誰も居なく、結果的にジンユがサンオイルを塗りたくるというシーンが有る。

1話の解説で私は何度か、ラハルに対する違和感について語ったが、これはその中でも特にそれが感じられるシーンだ。OVAオルタナのハル子のカリスマ性ならこんなモブに無視されるようなことはなかっただろう。

今作でラハルは意図的にハル子と区別して描かれているというのは前述したとおりだ。

ラハルは見た目ばかりはハル子そのものだが、例えばメカヒドミに油断してぶっ飛ばされてボロボロになったり、日焼け止め塗ってほしいのを無視されたり、ハル子と同じようなベスパに乗りつつナンバープレートが違っていたりと言ってしまえば偽物のように描かれている。

声が新谷さんではなく林原さんなのも、「これはハル子であってハル子ではない。偽物である」といった感を強めるための起用なのだと思う。(これに関して、海外版ではOVAと同じ声優が起用されているらしいが、ただ単にハル子声を真似できる人が居なかっただけだろう)

 

 で、ラハルがそのような存在であるからこそ今作では井出がヒドミを支える存在となったのだろう。ヒドミを探し回り、結局ラハルとジンユのいざこざに巻き込まれつつもヒドミとの距離が近づいていく。

 

ついでに、3話でアイコちゃん初登場&森くんとアイコちゃんの関係が顕になるわけだが、結局最後にこの2人も重要な役割を担うことになる、というあたりに、先程も言った群像劇的な、バタフライ・エフェクトが重なり続けた結果にエンディングが完成するみたいな集約がされる。

 

ところで、1話の学校のシーンで学級新聞にメディカルメカニカが海上に進出という記事があったので出てくるかと思ったけど、よくわかんなかった。ハル子がヒドミを拉致った施設ってメディカルメカニカのプラントっぽかったけれどどうなんだろうね?

第4話「ラリルレ」

 4話、ラリルレ。プログレのサブタイトルってもしかしてあんまり意味ないな??OVAオルタナではなんとなく内容とリンクさせてたけど。5話のサブタイトル「フルプラ」も挿入歌の「Fool on Planet」から持ってきてるだけっぽいし。

まあ、私が理解してないだけかもしれないが

 

4話ではこれまでのクーデレ女子ヒドミちゃんとは打って変わってやたらハイテンションになってしまったヒドミちゃん。絵柄的には、パタリロっぽいというか、アラレちゃんっぽいというか。

ヒドミの性格が変わったのはメディカルメカニカのプラントから発信されている怪電波によるものだったらしい。このときのヒドミの性格は、2話、3話の夢で出てきた性格みたいだけれど…。

正直、私の考えるところだと夢ってあんまり意味を考えても仕方ないんじゃないかなーと。1話の夢では体が崩れつつメカヒドミに変形していたけれど結局6話では井出を助けるために自発的にメカヒドミの姿になっていたし、不吉な予感を漂わせる夢と違ってこの物語はハッピーエンドで終わっているし。

そう考えれば夢なんて所詮ただの夢みたいなスタンスで、あまり考えすぎるのもアレかなーって。

 

とはいえ、性格が変わってしまった理由はなにかあるはずだ、ということで少し考えてみる。ヒドミの性格が変わったのは3話で井出がピンチに際してヘッドフォンが食い込んで以降だ。

f:id:shinnonno:20181009064116j:plain

このヘッドフォンはジンユの説明によるとどうやらN.O.の力を制御するものらしい。OVAで言えばアマラオの眉毛がそれに近かったガジェットになるのかな?で、このヘッドフォンをヒドミが付けているのは「お父さんに貰ったから」だという。このお父さんについては最終話で「メディカルメカニカのプラントに向かって、それ以降帰ってこない」ことがわかった。

N.O.が活性化するための条件に精神的に大きな衝撃があったときっていうのはこれまでの事からなんとなくわかることだし、特にヒドミの場合は激しく動揺しているときにヘッドフォンが赤く光っていたことからヘッドフォンが機能している描写がなされている。

ここでヒドミの性格が変わったこと、そしてその理由がプラントから発せられる怪電波をヘッドフォンが受信しているためであることをもう1度考えてみると、完全な憶測になってしまうがメディカルメカニカ内のヒドミの父が、N.O.が活性化しすぎてしまうヒドミを守るために別人格にした、みたいなことも考えられる。自己防衛みたいな。

というか、それぐらいしか怪電波の理由が思いつかない。プラント中に父が居るとすれば、暗にヒドミの父は生きている=いつかは帰ってくることを示しているというのを示しているのかもしれない。まぁ、OVAでハル子が「人が働くとこじゃないよ」と言っていたこともあるメディカルメカニカのプラントに、「向かった」とだけ表現されたヒドミの父がどうなったのかなんていうのは視聴者の知る由もないのだが。

 

ほかに気になったことと言えば、4話にしてカンチが登場したことだろう

f:id:shinnonno:20181009061241j:plain

よく見たらPVでも登場していたカンチ

PV見返したらちゃんと登場していた。劇場で見ていた私はそれに気づいてなかったので出ちゃうの!?!?とびっくりしたけれどね。

OVAのラストではカンチはそのままナオ太の家に住み続けることとなっている。そのはずのカンチがなぜここにいるか。もっといえば最終話まで観た人ならもうわかっていると思うけどハル子のベースも入国管理局の遺失物保管衛生の中にあった。

ちょうど上の画像はマスラオとチャンプおじさんことアイパッチが会議をしているシーンのものだが、マスラオも最後の最後で「お父さんそっくりの眉毛」という台詞からOVAに登場したアマラオの息子であることが示唆されている。

で、あるとするなら時系列で考えるとどうやらプログレの物語はOVAから数十年後程度の話になるということがわかる。

そう考えればカンチがかつてアトムスクの力を宿していたメカだということもマスラオたちは解ってて然りだと思うし、そうであれば捕らえている理由も自明だ。加えて、カンチがナオ太の家からハルコのベースを持って飛び出して何らかの形で入国管理局に捕まったと考えれば、ハルコのベースが入国管理局の施設内にあるというのも自然かな?

まあ、「なぜカンチが捕まっているのか」というのは「なぜかわからんけどハルコが分裂した」というのが前提になっている今作では愚問といえるのかもしれないなぁ。そういうもの、ってことで捉える他ないし。

ところでマスラオのお母さんって誰だ…?キツルバミ君か…?

 

4話ではついに海賊化っぽくなったジンユとラハルの戦闘が見られる。これはどうやら海賊化とは違うらしいが、少なくともハル子(ジンユとラハル)は以前アトムスクの力を1度は手に入れた、ないし使えるようになっていたことがわかる。これについてはOP以降何度かそういう描写があったしね。

で、アイコの持っていた植木鉢はカンチの中に残留していたアトムスクの力を使って作ったものであることがマスラオによって語られていたが、そう考えればジンユとラハルが不完全ながら海賊化をすることが出来た理由も、そのようにアトムスクの力の一部を使っているということなのかもしれない。

 

因みにマルコがタケノコを出したのはヒドミとぶつかってN.O.が移ったからだ。これはOVA3話のニナモリにも同じようなことがあったね。

 

ところで、今回始めてメディカルメカニカのプラント内部が明かされたわけだが、中枢部はなんだか脳みそのような模様になっていたね。これが何かを示唆するものなのか…。

第5話「フルプラ」

 5話。印象的な作画だったね。パンフレットのインタビューを見ればそれについても語られているけれど、荒井監督の「『フリクリ』の魅力には、のいろんな表現のアプローチ側面もある」という言葉にめちゃくちゃ同意です。気になる方はパンフレット買おうね!!!!!

 

5話では、4話でジンユを取り込んだラハルがお腹を膨らませている姿を見せていた。なぜだ??

4話では、「ジンユを取り込んで同化する=食べる」というある意味安易な表現を使っていた。そう考えれば5話でこのような状態になっているのも「消化できていない=上手く取り込めていない」と考えることが出来るだろう。

それはやっぱり声にも現れていて、前述したとおり今作ではハル子とラハルを明確に区別する要素として声優の違いがある。ラハルは見た目こそハル子に似ているが別キャラクターという扱いであること。ジンユを取り込んだことで髪の色はピンク色に変化し、見た目的な違いは無くなった。それでも声は新谷さんでなく林原さんだ。

結局のところジンユを取り込もうと思っても失敗して、「ハル子」には成れていないということがわかるのがあの姿だ。

 

さて、5話では遊園地の変形のためにカップルを集客してその微量なN.O.を集めることでエネルギーにしていた。これまでN.Oがどのような条件で活性化していたのかというのはあまり考えていなかったが、恋愛的な要素でN.O.が発動していたことは何度かあった。

OVAでは1話でマミ美にタスクがアメリカで彼女が出来たことを話た結果苦しむマミ美を見て、あるいは2話でカンチにキスしようとするマミ美を見てナオ太のN.O.が発動していたし、オルタナでハル子が、カナの佐々木への恋心を利用しN.O.を発動させようとしていたこともあった。

勿論、それ以外で発動していたことも多かったが、恋愛すると頭が空っぽになるってことがN.O.につながるのかな。

今気づいたことなんだけれど、OVAでナオ太の頭の中が空っぽになっていた。もしかしたらそれはつまり頭が空っぽになるような事象がN.O.を引き起こす要因になりうるというのを暗示した表現なのかもしれない。完全に蛇足だけど、何も考えられないくらい熱中したら普通じゃありえないものが生まれる、というメッセージ性すら感じ取れるね。

第6話「アワラン」

6話は正直言って情報量多すぎて、というか6話のラスト数分を見た上でもう1度全編見直さないと理解できない事柄がいくつもあった。

 

6話ではヒドミとラハルの戦闘シーンが主だった。プログレではこれまでに増して戦闘描写が多くて、男の子な私としてはとっても燃えましたね。燃えたと言えば、ヒドミが井出の学ランを着て戦っていたのもかっこよかったね!!

 

5話のラストから6話にかけてついにアトムスクが登場した。ハル子がヒドミと戦っているのはヒドミのN.O.を使ってアトムスクを捕まえるためだ。戦う二人の足場にはどんどん鳥かごが形成されていった。

一方メディカルメカニカのプラント(縦)はアトムスクを捕まえるためにモチを発射していた。わかると思うけれど、鳥獣を捕獲するのに使うトリモチっていう禁止猟具が元ネタね。

と、言う感じで、ラハルにしろメディカルメカニカにしろ完全にアトムスクを鳥扱いした方法で捕まえようとしている。

 

OVAでは、アマラオの回想からアトムスクは人間であるというような描写がなされている。

f:id:shinnonno:20181009074918j:plain

トムスク(アマラオの想像の姿)

これに関して鶴巻監督は「アマラオはアトムスクの姿を知らないから、ハル子がアトムスクのことを男だと思って、惚れてると思っている」と語っている。

OVAではこのように視聴者に対してアトムスクが人間であるという考えをもたせた上で、実際アトムスクは人の形ではなく、鳥のような姿で現れていた。

プログレではわかりやすくここまでトリモチや鳥かごで鳥扱いしていて、結局鳥の姿で現れるのだが、観た人なら分かる通り最後にラハルはアトムスクに対して惚れているような描写がなされる。アトムスク特有の赤い人型が現れ、それに泣きつくラハル。結局その人型はジンユだったわけだが、プログレではOVAとは逆に、「これまで人かと思ってたら鳥だと思ってたアトムスクがやっぱり人だった」という展開を見せていた。

ラハルとジンユがアトムスクを追っている理由も4話のメディカルメカニカ内部での口論でなんとなく発していたが、「彼は振り向かない」だとか言ってもどうせ鳥でしょ~??とか思っていた私はまんまと制作陣の思い通りということなのかな??

 

プログレで最もよくわからないキャラクターであるアイコはまさかの活躍をしたよね。アイコ関連については正直全然ついていけなかった。

トムスクの力を宿した植木鉢を使って、入国管理局の遺失物保管衛星を引き寄せたんだっけ??マスラオが「できればお前を使いたくなかった」と言っていたことやその後の働きからどうやらアイコが普通の人間じゃないというのはわかるけれど、入国管理局が関係しているということは宇宙人であるというのは有り得る話だ。というか普通の人間はかぼちゃの中から生まれません。

 

で、そんなアイコに負けず劣らず人外的な働きをしたのがヒドミだ。N.O.を使って体の一部をメカに変えてハル子と戦ったり、かと思えば1話で出てきた白いメカヒドミに姿を変え共闘したり。とはいえ、ヒドミは普通の人間であるというのは確かだ。

というか、「やっと私は思い出す。私が要するに中学生だったこと。」とか言ったり、夢の中で同級生と喰いあったり、体が崩れメカになりプラントをぶっ飛ばしたりと、現実の描写以外の部分ではめちゃくちゃ人外っぽさを醸し出しているが、それはあくまでモノローグや夢の中での話だ。

現実では体がどんどん崩れ去ったりするといったことはなかったし、とはいえメカヒドミになるがそれもN.O.の力であるというのは確かだ。

こんな感じで散々ヒドミの正体について匂わせるというフリを重ね続けた結果、言ってしまえばありきたりなエンディングが際立つってもんじゃないんですか。

 

プログレは本当に出来事と情報量が多く、なんだかごちゃごちゃしていたけれどそれをシンプルに纏めるEDになったんじゃないかなと思う。ハル子はアトムスクを追う旅を続け、結局最後は井出とヒドミの距離が少し近づくというボーイミーツガール的な終幕にたどり着いた。

 

 

フリクリの18年ぶりの復活ということでずっと楽しみにしていたけれど、オルタナプログレも私の中で大切な作品になりそうです。とはいえまだまだ何度も見返して味がなくなるまで楽しみつもりですが、皆さんはどうでしたか??

どうやらトップをねらえ3!の噂もありますし、いつかはフリクリのさらなる続編が制作されるかもしれません。不朽の名作のさらなる進展を楽しみにしていますよ。