フリクリとThe pillowsを語ってみる - アニメでハマる音楽【1】
アニメでハマる音楽
アニメと音楽を結びつけるとどちらも楽しめてお得だよ、っていうススメです。
第一回、今回はフリクリ✕The pillowsのご紹介。
フリクリとThe pillowsはどちらも、人によっては聞いたことがないかも知れない。
というか、アニメと音楽を一緒くたに語ろうっていうのにフリクリはまず外せないだろうということで、第一回の題材に挙げてみた。
フリクリについて
フリクリは2000年から2001年にかけてガイナックスとProduction I.Gが共同で制作したアニメ。
ガイナックスと言えばエヴァンゲリオン。当時はエヴァの大ヒットを記録し、アニメ制作会社の中では一大巨塔ともなっていた。フリクリを皮切りに00年代のガイナックス作品は作画レベルも高く、その後内部分裂を起こしてしまったことを考えると最後の輝きを放っていた。
例えばフリクリに関わっているスタッフには、後にエヴァ新劇場版の総監督を務める鶴巻和哉氏、エヴァに引き続きキャラデザを担当する貞本義行氏、作画監督にはグレンラガンやキルラキルの監督で知られる今石洋之氏、また、アニメ・アイドルマスターやダリフラの監督、錦織敦史氏が原画に初参加していたりと、もうほかに上げればキリがないくらい今では豪華すぎるメンバーが揃っている。
実力派アニメーターによる作画と、凝りに凝った演出が見どころだ。空や川の色、道路の路面、人物へのカメラアングル、どれも見ていて惚れ惚れしていしまう。個人的な話だけれど、本当に何度見ても飽きないアニメなのだ。
The pillowsについて
で、そんな作品に挿入歌として彩りを加えているのが「The pillows」だ。
ピロウズがどの程度の知名度なのかはわからないが、フリクリを知っている人ならもれなくPillowsのことを知っているだろうし、逆にpillowsのファンならだいたいフリクリも見ているだろうってくらい切っても切り離せない関係となっている。
The pillowsは1989年結成のロックバンドだ。活動当初の90年代はポップな曲が多かったが、フリクリに使われた2000年前後の曲はファンの間では「第三期」と呼ばれ、オルタナティブ・ロックのテイストが強い曲が多くなっている。
ギターリフが特徴的な曲が多く、それに加えてボーカル・山中さわおの声も相まって唯一無二の存在感を示している。
音作りで言えばOASISとか、当時の人気バンドを踏襲しているらしく、UK的なサウンドが好きな私はどっぷりハマってしまった。
と、好きな人はめっちゃハマるがなぜか世間的にヒットとはならないのが不思議なところだ。
ちなみに、UNISON SQUARE GARDENの田淵さんはThe pillowsが好きということで、対バンもしたことがある。詳しくは↓
azayaka-tuchiiro.hatenablog.com
フリクリとThe pillows
フリクリとPillowsは切っても切り離せない関係とは前述した通りだが、ファンなら頷けるところだと思う。
フリクリは独特な雰囲気と作画レベルの高さから、日本よりも特にそれらの要素を重視する海外において人気が高まり、それに合わせて挿入歌として使われていたピロウズの人気も高まった。
Pillows自身、英語の歌詞の曲も多くその点でも馴染みやすかったのかも知れない。
今でも、Youtubeに上がっている動画は海外からのコメントが多く再生回数も結構多い。
ちなみに、こんな感じで使われている。挿入歌と言うよりは、「フリクリはPillowsのPV」と揶揄されるほどに音楽にもフューチャーされている。
この動画見て、「おいおいネタバレやめてくれよー!」と思う方もいるかも知れないが安心してほしいのが一回見たくらいじゃ何がなんやら理解できないので全然ネタバレじゃないのだ。
フリクリは軽快なリズムで進む会話劇と作画、更にPillowsの楽曲と同時に楽しむことがありすぎて、ストーリーの本筋を追うのが疎かになりがちだ。そんなときは何度も見返すといい。OVAでたったの6話しか無いアニメなんだ。4週見ても2クールアニメ一本分だ。それだけ、可食部が多いアニメだと言ってもいい。
ピンクの髪のキャラは声優新谷真弓さんによる、聞くものすべてを虜にする特殊な声帯を与えられている今作のヒーローかつヒロインかつ黒幕かつ白幕かつ主人公とも言える存在の「ハル子」さんだ。超好き。
と、そんなフリクリ人気の裏で絶大な支持を受け、それでもなかなか日本でヒットしないのがピロウズ…何故だ…
ちなみに2017-2018年にかけて、フリクリで使用された楽曲も含まれたアルバムの曲順再現ツアーがおこなわれている。それだけ、ファンからの支持も熱い曲が多いということだ。
そのツアーで再現しているアルバムはツアーを記念してアナログレコードにもなっている。それについてはこちらの記事で紹介している。
azayaka-tuchiiro.hatenablog.com
フリクリの続編について
で、なんと言っても今注目なのが、9月に公開される17年越しのフリクリの続編、「フリクリ オルタナ」「フリクリ プログレ」の2つだ。
これらは日本では映画、海外ではOVAと特殊な形態で公開される。国内外において人気なフリクリならではと言えるかも。
メインキャラ「ハル子」さんと挿入歌Pillowsは続投!事前PVも作画レベルの高さが見られる出来となっている。本当に楽しみだ。詳しくはこの記事に書いてあるのでぜひ読んでみてほしい。
おすすめ曲
おすすめ曲と言うか、おすすめアルバムのご紹介。
これはフリクリのサウンドトラックだが、3枚出てるうちのvol3は挿入歌の中からメンバーが選曲した、いわばベスト盤のような扱いになっている。どの曲も劇中で使用されていたので、CDを聴き込んでからアニメを見返すとより一層楽しめる。
それと、有名なのはこの曲かもしれない。
「Funny Bunny」はジャンプ漫画・スケットダンスにおいて、作中のキャラクターが学祭で演奏する回がある。これでPillowsを知った人も多いんじゃないだろうか?かく言う私も実は、スケットダンスで知った。
他にも、トリビュートアルバムにおいて「ELLEGARDEN」がカバーしているのも有名だ。というか、ソッチのほうが有名になりすぎててこの曲をエルレの曲だと勘違いしてる人も多い。
フリクリにおいても「Funny Bunny」は印象的なシーンで使われ、音楽でもって緩急の付いた展開を引き立てている。
アニメとしてのレベルの高さと、挿入歌のマッチが魅力
フリクリとpillowsの紹介はこんなところだ。
ガイナックスの全盛期における、アニメとしてのレベルが非常に高い「フリクリ」
そんな作品にひと味のアクセント以上の働きをし、フリクリが未だに支持を集めるアニメである大きな理由の一つとなっているpillows。
映画公開に向けて、ぜひともチェックしてもらいたいコンビだ。