アニメ化しそうな漫画紹介【その3】五時間目の戦争
アニメ化しそうな漫画紹介というシリーズもう3回目。
今日紹介するのは「五時間目の戦争」。
この漫画は角川の『ヤングエース』において、2014年6月号から2017年3月号まで連載された漫画で、単行本は全4巻まで出ている。
上の画像を見てもらえば、あるいは漫画のタイトルからも読み取れるかも知れないが、主人公は少年少女たちで、彼らが異形のものと戦争するというのがストーリーの大筋だ。
もうとっくに連載終了してしまった漫画だが、とても好きな漫画であるので紹介したい。
あらすじは、以下の動画を見てもらえれば分かるかと
このPV、音楽はsupercellのryoが作ったんだって。気合入ってんなあ。
あらすじ
日本が正体不明の敵と開戦して5年。離島の青島。中学3年生になった双海朔(ふたみ さく)たちは、新学期早々担任から「金曜日の5時間目に戦争する」と告げられる。指名を受けた生徒は最前線へ駆り出されることになり、最初に指名されたのは東京から疎開した篠川零名(しのかわ れいな)だった。朔は彼女の代わりに出征を申し出るが、何故か彼とその幼馴染の安居島都(あいしま いく)の2人は出兵不適格者だと告げられる。
簡単にキャラクター紹介をしていこうと思う。この漫画では少々SFチックな戦争をテーマにしているが実際には戦闘シーンはあまりなく、全体の世界観とキャラクター同士の人間関係が主な見どころになっている。
まあ、この漫画はキャラの作画がめちゃくちゃ可愛いのでその点も好きなポイント。
舞台になるのは瀬戸内海に浮かぶ離島、青島。主人公の朔は、ある日突然「金曜日の5時間目に戦争する。毎週数人が指名されて本土まで出兵する」と告げられるものの、彼はその出兵資格を与えられ無かった。瀬戸内海の島では八朔なんかがよく名産になっていたりするが名前の由来はそのへんかな?
クラスメイトが次々と本土まで出兵して、そして無事だったりあるいは怪我を負って帰ってくる姿を見て、なぜ自分は出兵できないのか。なぜ誰も守れないのかと苦悩する姿が見られる。
彼は東京から疎開してきた篠川零名の事を気にかけるものの、戦争が始まって1番最初に指名されたのが彼女だった。
篠川零名は島には似合わない黒髪ロングを備えた少女で、自ら積極的には島民に馴染もうとしていなかったが、出兵する際にこれまで避けてきたはずのクラスメイトから優しくされたり、あるいは朔と深く関わっていくことで徐々に周りに心を開いて行く。
ありきたりな言葉で言えばクーデレというか、そんなところが可愛い。
そして最後に重要になるのがこの漫画の幼馴染枠である都ちゃん。主人公の朔とは子供の頃からの友人で、そして朔と同じく戦争に出兵してはいけない、と通達をもらった者である。
ここに住む人々は日本が正体不明の敵と開戦して以降は、本土からの数少ない食料補給と、島内で採れた野菜で生活している。彼女は3人の妹弟を育てつつ、「出兵できない自分にできること」をご飯を食べさせることだと考え、クラスメイトに美味しいご飯を作って食べさせている。
朔はその点で頭を悩ませてウジウジしているので、彼と比べたら郁ちゃんの健気さたるや。
で、この漫画は一言で言えば「セカイ系」だ。セカイ系がどんなものかっていうのは調べてもよくわからないかも知れないが、要は少年少女の心の動きを細かに描写したSF作品といったかんじか。
セカイ系の全盛期は00年代初頭で、正直2015年に連載開始されたこの漫画はある意味挑戦だったと思う。10年代に突入してからセカイ系は受け入れられるのかどうか。
どれだけ新しい設定であってもさんざん食い尽くされた「セカイ系」畑を新たに開墾するっていうのはとてもハードルが高いし、どう頑張ってもこれまでの作品と比べられてしまうからだ。現にこの作品はイラストの風味も相まって「最終兵器彼女」ととても雰囲気が似てしまう。
人によってはその点で「ん?」と思ってしまうかも知れないし、あるいは終盤は割と駆け足だったこともありで賛否両論と言ったところだろうが、個人的には少しずつセカイの秘密がわかっていく感じは面白いし、最終回の着地点もセカイ系らしさがあったので良かった。
重ね重ね言うがとにかくキャラクターが可愛いためイラストのアドバンテージは大きい。
単行本は4巻で完結しているのでとても手に取りやすい。
異形の敵の正体とは??なぜ、朔と郁は戦争に出兵することが許されなかったのか??
クラスメイトは生き残ることができるのか??
おすすめです。ぜひ読んではいかがでしょう。
作者の優さんは2017年に亡くなられたということ。好きな絵だったのでとても残念だ。
twitterには可愛らしいイラストが沢山投稿されているので、是非見てみてほしい。