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アニおと!!見聞録~アニメと音楽の個人ブログ~

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TEAC NT-505のMQA対応で高まるハイレゾストリーミングの可能性

『NR-7CD』および『NT-505』が、MQAコンテンツの再生に対応。 | ニュース詳細 | TEAC

 

ネットワークCDプリメインアンプ『NR-7CD』およびUSB DAC/ネットワークプレーヤー『NT-505』のネットワークファームウェアをアップデートすることにより、MQAコンテンツの再生に対応します。 

 いいニュースだ!5月31日のファームウェアアップデートでTEACのネットワークプレイヤーでは最新の製品である、NT-505とNR-7CDがMQAの再生に対応したぞ。

 

MQAって一体何?って人もいるかも知れないけれど、これは簡単に言えばファイルの圧縮方式のこと。これまでの音楽ファイルの圧縮方式は、mp3やaacと言った不可逆圧縮(ロッシー)方式か、FLACAACといった可逆圧縮方式(ロスレス)で分けられることが知られているよね。不可逆圧縮だとCDとかダウンロードして入手したファイルをmp3っていうサイズに収めることで容量を小さくすることができる半面、音質の低下が見られることが欠点だった。

対して可逆圧縮方式だと、ファイルの容量は本のサイズよりは小さくできるものの、不可逆圧縮方式ほどには削減できないことが欠点とされていた。ただ、可逆圧縮と言っているだけあって、圧縮されたファイルから元のデータに戻すことができるのが特徴で、これによって再生する際には元のデータと同じ音質になり、ハイレゾ再生の場合に用いられるのはこちらの規格だ。

 

ここでMQAの登場。MQAはそれぞれの利点をカバーした新しい規格(と言っても2,3年前に登場した)で、ロッシーな音楽ファイル並みの容量でありながら、ロスレス並みの音質を兼ね備えたいいとこ取りの特徴を持つ。特に、ハイレゾ音源を扱う際に特段に需要が高まる規格だ。

 

技術的な話は下記リンクの詳細に載っているけど、

「ハイレゾ音質でもサイズは劇的に小さく」“MQA”とは何か? KRIPTON HQMが10月配信開始 - AV Watch

要はこれまでのハイレゾファイルは、「人間の聴覚では認識できないはずの24kHz~の高い周波数の信号も再生したら、なんかよくわからんけど音質良くなったで」というものだった。この24kHz~の信号を効率よく24kHz以下の信号に折りたたむことで容量を削減したというわけ。

24kHz~の信号なんてものは人間の耳ではそもそも聞こえない上に僅かなノイズっぽい感じでしか無いので,24khz以下の信号に紛れてても全然気づかないってことなのかな。

 

これをMQA対応のプレーヤーで再生しようとすると折り畳まれた信号がもとに戻り、24kHz~の信号が再生される。

で、ついでにいうとMQAに対応していない製品でも再生することはできて、その場合は高周波数帯が復元されずにそのまま~24kHzのPCM信号として再生されるんだ。

 

このMQAの技術がどういうことに使われるかって話なんだけれど、例えば↑にあるようなNT-505やNR-7CDのようなネットワークプレイヤーを使用すると手元のNASなどのストレージからファイルを読み込んで再生することになる。

 

こんな製品を買うようなオーディオマニアであれば、mp3なんかの不可逆圧縮ファイルを再生しているなんてことはあまりないはず。ハードディスクも最近は随分と価格が下がってきたので、容量で困ることなんかもそうないはずだから、ipodや携帯に入れる場合を除いたファイル再生では可逆圧縮が主流になってきている。

 

ファイル再生の事を考える上ではMQAの重要性っていうのは容量程度しかないんだけれど、これがストリーミング再生に関してだと話が変わってくる。

 

現在、巷ではいくつものサブスクリプションサービスで溢れ、それらの殆どはストリーミングで再生を行っている。再生ボタンを押すとその音楽ファイルをネットから持ってきて、その場で再生するっていうことだ。

ストリーミング再生には端末の容量を食わない代わりに、再生するたびにダウンロードするので通信量が増えてしまうことがネックなんだ。とはいっても現状のサブスクリプションサービスではほとんどがmp3などのロッシーファイルを扱っているために通信容量を食うということもなかった。もちろんスマートフォンによる再生だけの話ではなく、PCで再生したりSpotify Connectを使用する場合でも、通信帯域を多くとったり再生ボタンを押してからの待機時間がめっちゃ長い、なんてこともないしね。

 

 

これが音質を考えた時、ハイレゾ音源の場合はどうだろうね。

ハイレゾ音源を扱う場合はロスレスファイルでなくてならない。しかし、ハイレゾは普通のロスレスと比べると数倍にも容量が跳ね上がり、これが快適な音楽再生をしようとしたときに気になってしまうポイントだった。

 

MQAはそのような場合に使用されるべき規格だと思うんだ。ハイレゾファイルを再生しようとしても小さな容量で済むので、ストリーミングにおいては元来の規格よりも大幅に優位性が示される。

 

現在,ロスレスに対応したストリーミングサービスはいくつもあり、特に先日,国内にいち早く参入したDEEZER HIFIの存在が大きい。ハイレゾに対応したストリーミングサービスはPrimeSeatなんかも既に存在している。しかしこれらのサービスはMQAを扱っているわけではなく、通常通りのDSD音源とPCM音源だ。そんな場面でのTEAC製品のMQA対応がどういうことなのか。

 

MQAによるストリーミング配信といて名が知られているのが「Tidal」だ。未だ国内参入が待たれているものの、オーディオマニアからは知られているサービスで、国内製品も対応しているものがいくつもある。もちろんNT-505もTidalに対応しており、タブレットからの操作でTidalの音源が再生できる(今はまだ正式対応前だが)。

 

TidalはMastersというクラスにアップグレードするとMQAによるハイレゾ音源の再生ができるようになるのだ。土台がしっかりしているからこそ可能なハイレゾ配信。

NT-505がMQAに対応したことで、Mastersのハイレゾ音源の再生へのアプローチ担っていると思う。Tidal Mastersの音源が今後NT-505で再生できるかどうかはわからないが、拡大していくストリーミング市場の中でMQAの存在と、MQA対応機器の広がりはハイレゾストリーミングの到着を待ち望んでいるようにも見えなくもない。

 

何はともあれありがとうTEAC