鮮やか土色

アニおと!!見聞録~アニメと音楽の個人ブログ~

アニメと音楽に関する個人ブログです。アニメやAV機器のレビューをします。

土色鮮やか

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カツサンドに入ってるからしのような男になりたい。

カツサンドに入ってるからしのような男になりたい」

というタイトルだけ思い浮かんでしまった。どうしよう。しかしなりたい。

 

私はカツサンドに入っているからしのような男になりたい。

 

人生とは、サンドイッチのようなものだ。

人間として生を受け、国、あるいは社会に挟まれて生きる私達の人生は皆それぞれちがう味を持ったサンドイッチ。

社会をバンズとするならば、その中でどのような人生を過ごすかということは一生をかけて具を詰め込む作業になるだろう。

例えば学校。その狭く閉鎖的で縛られたバスケットの中で生活する、小さなバンズに挟まれたちっぽけな存在である私達。バンズにとりあえずマヨネースを塗ってみたもののそれからどのように自分の人生をメイキングするかを考える時期である。

私の場合では、実際に既に自分の人生の具材は少しずつ足されているのも知らずに、将来はどんなサンドイッチになろうかと考えているような愚鈍な生活を送っていた。

一度もやしを挟んでしまったサンドイッチはもう2度とカツサンドになることは許されない。自分の人生をカツサンドにするためには、最初から努力する必要がある。

 

例えば中学生の頃に隠れてイラストや小説を書いていた者がいるとしよう。あるいはダンスやギターに燃えている者。彼らはその時は空っぽのサンドイッチだったのかもしれないが、まさに揚げている最中であるのだ。自分の人生の真ん中に据えるべき豚カツを。カツと云う名の一芸を。私のような者はそんなこともつゆ知らず、ただ周りに流されているだけの生活を送っていた。今になって、「私もカツが欲しかったなあ」などと考えてももう遅い。私のバンズに挟まっているのは貧相なもやし。今更中途半端なカツを挟んだところでどうなるというわけでもない。

 

近年の日本では、子供の教育方針がずいぶんと変わってきているらしい。

子供の頃から教育をさせ、その道のトップレベルへ。例えばフィギュアスケート、例えば子役。自分の子供のバンズに挟むカツを揚げるために、親は必至で油を温める。最後にカツを揚げるのは子供だが、親がその手伝いをするのは当然というような。

いやはや、素晴らしい育て方だと思う。

自分の子供をカツサンドに育て上げることが単に親のエゴだったとしても。最後には温めた油を使わずに捨てることになろうとも、子供の道を大人が導くというのは十分に意味があることだ。

何も考えずにただカツを揚げることに熱中できる子供時代をいうのは人生でも限られた期間しか無い。その大切さを知っているからこそ大人は子供にカツを揚げさせようとするし子供はそれをこれからの人生に活かしていく。

 

私はその様な生き方をしている人のことを心から尊敬する。なにかに熱中してその道を極めるということを、私はしてこなかった。中学生や高校生のころ、人によってはその期間を部活動に費やしたものもいるだろう。毎日、日が暮れるまで汗をかいて、休日も個人練習。大会に向けて仲間と試合。そんなことなんて無く私は部活動で毎回誰よりも早く帰宅していた。一体そんな生活で何が培われたと言うんだ。大学生になって、部活動やサークルで励んでいる者たちを横目で見ながら、私は部屋で寝そべって「昼飯どうしよっかなー…まあ、食わなくても死なないか」などと考えながら日々を浪費している。

 

きっと私の人生はカツサンドになれない。そんな事はわかっている。いまさら遅いと自分に言い聞かせながらも、ヘタクソなカツを揚げてみたこともある。しかしどうやっても熱くならないのだ。油が。それ故パン粉に油の染み込んだ生焼けの肉がいつまでも鍋の中で浮いている様が頭の中に浮かんでくる。私のメンタルはその程度なのだ。

 

しかし世間にはカツサンドを目指している人がたくさんいる。私には輝かしい存在である彼らも、より良いカツサンドへ更に向上心を持って生活している。そんな姿を見るとなんだか無性に虚しくなるのだ。きっと私の人生はカツサンドになれない。なんどもそうつぶやきながら。

 

ただ、叶うことなら彼らの人生の一部を彩りたい。挫折や苦悩を経験しつつも、私から見れば輝かしい人生を送り続ける彼らの人生=カツサンドにとっての、からしのような男になりたい。

 

その人生において、あってもなくてもいい存在。ただ、ひと味のスパイスになれるような存在に。

思い返した時に、そう言えばからしの風味が効いていたな、なんて思ってもらえるような存在に。

 

私のサンドイッチはどう頑張っても野菜サンドにしかなれない。ならばそれでいいではないか、私は野菜サンドの人生を謳歌しよう。

ただ他の人にとっては、カツサンドに入ってるからしのような奴だったなと思われたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

っていうのを書いてみたんですがどうですかね。(所要時間30分)