soundgenicの利点と欠点。それとNT-505。
soundgenicのあれこれについて考えてみた。
soundgenicが購入者に届き始めたようですね。本来なら2/21発売予定だったはずですが、あまりの注文の多さに1週間ほど延期させたとのことで。
私も注文していたのですが、TEAC NT-505を購入したうえで不要と判断し、soundgenicの注文をキャンセルしました。品薄だったためかショップの対応の良さもあってかあっさりキャンセルが通りました。
私がネットワークオーディオを導入したときはopenhomeというものは手の届かない存在でした。たかだか使い勝手が良くなるだけであるにも関わらず、対応製品はウン十万の世界にいるものばかり。Bubble Upnp Serverでだましだまし偽openhomeを使っていても拭いきれない憧れが有りました。
soundgenicとNT-505のお陰で、2018年はopenhome元年となりそうです。私自身が特にこれらの製品の購入層に合致するため、興奮が冷めやりません。
NT-505とsoundgenicはopenhome対応機器ですが、立ち位置としては結局同じなんですね。
まずはsoundgenicを購入する人はどのような人が多いのか、ということについて考えてみます。
まず「PCオーディオからの移行」について考えてみます。
soundgenicでopenhomeを使うためにはUSB入力に対応している機器を所持している必要があります。具体的にはUSB-DACやUSB付きのプリメインアンプです。
ネットワークプレイヤーに比べるとUSB-DACの製品群は非常に幅広いですが、それは如実にPCオーディオの有用性を示しています。
ネットワークオーディオと比べたPCオーディオの利点は何と言っても管理のしやすさでしょう。foobar2000などを使用している方ならタグ管理も完璧でしょうが、曖昧なタグ付けでもiTunesで管理すれば勝手に保管してくれます。
PCを使用する以上PCよりも快適な再生環境が構築できないことにはsoundgenicを使用する意味は無いでしょう。ネットワークオーディオにはまずタグ付けが第一の関門として待っています。
タグ付けが完璧に終わったとして、次にコントロールの面でも問題があります。
PCオーディオといえば基本的にはニアフィールドリスニングが主になると思います。デスク上に置かれたブックシェルフスピーカーでのリスニング。これってもしかして、普通にPCで操作したほうが楽なのでは?
ネットワークオーディオは基本的にスマホかタブレット端末での操作になります。PCを使用しながらであるならこれまでどおりのPCで操作するほうが適しています。
加えて、soundgenicを繋いでいたらPCのオーディオ出力はUSB-DACに使用できませんし、例えばカーネルミキサーを使ってゲームをしながら音楽を聴く、と言った用途に使用している方にはアンマッチな製品です。
つまりsoundgenicはあくまでも一通りオーディオ機器と、音楽を聞くための環境が揃っている方向けの製品となります。
NT-505を購入する人は「ネットワークオーディオのステップアップ」が考えられるでしょう。わたしもそうでした。これまで使用していたネットワークプレーヤー製品からの買い替えによってネットワークオーディオがより快適になるのですね。勿論、soundgenicと比べたら大幅な価格差があるのでその点は明確な欠点でもありますが。
私の場合はsonicaDACを売ってNT-505を買いましたが、NT-505と同じ価格帯にはPioneerのN-70AやMarantzのNA-11S1などの人気製品もあります。音質の傾向は別としてもopenhome対応というだけでも買い替えの対象となりうるでしょう。
soundgenicには欠点も見当たります。
NT-505の場合は入力をNETにしておけばネットワークプレーヤー、Spotify Connect、Air playを自動で切り替えてくれます。これは単純にUSBで接続しているsoundgenicには不可能です。soundgenicの場合はUSB-DACの切り替えをわざわざ操作しないといけません。これを面倒と取るか気にならないかは人によるでしょう。
また、接続がUSBであるというのは私的にはプラスとはいえません。LAN接続に比べてUSB接続はノイズとの関係が非常に大きいです。アイソクロナス転送やBulkPetなどUSB接続向けの技術もありますが、それらは暗に本来USBはオーディオ用途に適していなかったことを示しています。
soundgenicとNT-505はどちらも、オーディオ環境が揃っている人向けの製品です。
その上で、NT-505と比較したときのsoundgencの利点は
- 安価
- 未使用だったUSB端子を使える
- USBケーブルで音質を調整できる
- オーディオ用ストレージとして増設用途に使える
- これまでの環境に追加して使える
- NASとしても使える
欠点は
- オーディオ用とは言えない筐体の質
- USBというフォーマット
- 一般的なNASに比べて機能が少ない
- 切り替えの煩わしさがある
と言ったところでしょうか。
ちなみに、soundgenicを購入した方にぜひ試してほしいのが、
USBケーブル×4 SPECIAL for PCオーディオ-高音質(別冊ステレオサウンド)
こちらのムック本の購入です。この本には高品質なUSBケーブルが4種類付録になっています。オーディオ向けのUSBケーブルは短ければ短いほど有利ですし、自分好みの傾向を探せてお得だと思います。わたしもsoundgenicを買った暁には購入しようと思っていました。
soundgenicは良い製品です。ですが、どうしても仕様上仕方がない欠点というものは生まれてしまいます。その上で使いこなすことができるかどうかが快適なネットワークオーディオライフにかかってくるでしょう。制振なども気を使わなければならないポイントです。
なんにしろ価格による選択肢が広がるのは良いことです。2018年、さらなるネットワークオーディオ機器が生まれるのも楽しみですね。