1月27日発売 TEAC NT-505 で2018年ネットワークオーディオの革命が起きるか
TEACの新製品NT-505について、ネットワークプレイヤーの今後について希望的観測です。
[1/29追記:買っちゃいました。]
azayaka-tuchiiro.hatenablog.com
TEAC のネットワークプレイヤー
皆さん、音楽聴いてますか?そりゃ聴いてますよね。すみません
1月27日にTEACから、新しいネットワークプレイヤーのNT-505 そして新しいDACのUD-505が発売されます。
詳しい仕様は上記のページに記載されています。UD-505はヘッドホンアンプ兼DACとしてバランス出力のヘッドホン端子を装備しています。それに対してNT-505はネットワークプレイヤーで、アンバランスですがヘッドホン端子も備えています。
また、どちらのモデルもDACチップとしてAKMの最上位チップ、AK4497をデュアルでそなえています。AKMのチップははES系のチップに比べて角が丸くなった印象がありますね。
TEACからはこれまで2012年にUD-501を発売してからDACシリーズをラインナップしています。ネットワークプレイヤーとしては前モデルNT-503が存在します。
今日お話したいのは新作ネットワークプレイヤーNT-505についてです。
NT-505の大きな特徴としては「openhome」に対応していることです。まずはopenhomeについてお話させていただきます
「openhome」とは?
ネットワークプレイヤーは基本的にLAN内のメディアを通信して再生するDLNAというシステムで動いています。しかし、このDLNAは基本的にはいろいろな種類のメディアを扱うこともありネットワークオーディオに関して最適化されているとはいえません。
ネットワークオーディオを世に広めたのはLinn社というイギリスの会社です。イギリス王室御用達の歴史のあるオーディオメーカーです。まだiphoneが普及し始めた頃に次世代のプレイヤーとして発売されました。日本のオーディオメーカー各社からその後ネットワークプレイヤーが発売されるのですが、それらはLinn社から発売されたネットワークプレイヤーに比べて著しく操作性がよろしくないのです。
国内のネットワークプレイヤーはギャップレス再生するのすらままならず、アプリの操作性も悪いです。曲を探すのもツリー型のメニューしか使うことができません。
で、日本メーカーがそんなもたもたしてる間に英Linn社はopenhomeというDLNAをネットワークオーディオについて最適化させたシステムを完成させました。
具体的にはopenhomeに対応していれば、ギャップレス再生ができ、プレイリストを機器に保存することでアプリを落としても再生が続くようになります。また、「LUMIN APP」や「Linn Kazoo」といった高品位なプレイヤーアプリを使うことができるようになり、ツリー型メニューから開放されてタイル型のメニューを用いることができます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
azayaka-tuchiiro.hatenablog.com
2017年は国産プレイヤーではTEACの系列であり高級オーディオメーカーのESOTELICから発売されたネットワークプレイヤーなど、openhome対応機種が各社より登場しました。そして、満を持して2018年、低価格帯にてopenhome対応プレイヤーNT-505が発売されるのです。
価格は16万円ほどと、海外でのopenhome対応機器と比べても格安で手に入れることができます。
2018年は日本のopenhome元年となりうるか?
国産ネットワークオーディオプレイヤーとしては2017年にESOTERIC「N-01」というハイエンドopenhome対応プレイヤーが登場しました。しかしその価格140万円。ありきたりな表現だとうまい棒14万本買えちゃうとか言いますね。
しかし2018年の日本のネットワークオーディオ界隈、めちゃくちゃ熱いです。
まずその1として先程から話題に上げている「TEAC NT-505」の存在です。
希望小売価格としては16万円です。この時点でopenhome対応機種としては安価ですが、これまでのTEAC製品の価格推移を鑑みると発売後落ち着いてきたらおそらく1~2万円ほど価格が下がると思います。
openhome対応機器はその機能性やパーツにもよりますが30万円を超える価格のものが多いです。国内メーカーで、半額近い値段でそれが購入できるというのはネットワークオーディオ自体の普及につながると思います。
その2として、io-date「Soundgenic」の存在です。これについては初めて触れましたが詳細はこちらの記事に書いてあります。
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io-dateはfidataというブランドでオーディオ用の高級NASを販売しています。こちらのオーディオ用NASなのですが、USB端子を備えていて、USB-DACと直接接続することが出来ます。これにはLANを介さないことによるデータの欠損の防止などの利点の他に、NAS自身をopenhome対応のプレイヤーとして扱うことが出来ます。
こちらの「Soundgenic」はfidata製品のノウハウを活かし同じようにopenhomeを使うことが出来ます。更に、低価格帯向けオーディオ用NASの「Rock Disk」の後継機であるため、価格も安価になることが期待できます。
その3として「fidata music APP」の存在です。
これまでネットワークオーディオに使用する国産コントロールアプリは散々なものばかりでした。海外製では「LUMIN APP」と「LINN Kazoo」の2強が存在するのにもかかわらず、ユーザーが本当に求める操作性を実現できていませんでした。
しかし、2017年の年末にfidataから自社製オーディオNASの為のコントロールアプリがリリースされたのです。それが「fidata music APP」です。fidata製品以外のopenhomeプレイヤーでも使用することが出来ます
実際使用してみた所、なかなかの操作性でした。Townky server独自の文字化けなどもあるため手放しで褒めることは出来ませんが、それにしてもかゆいところに手が届くと言ったところでしょうか。これからのアップデートに期待できます。
これらの武器がある上に、消費者に対してどのように語りかけるかと言うのがネットワークオーディオ、さらに言えば今後のオーディオ業界自体を背負うことになるかもしれません。
今後の展望、個人的希望
というわけで2018年はネットワークオーディオ界に様々な原石が投げ込まれる年になりそうです。まだまだ研究途中の分野ですが、ネットワークオーディオにはさらなる快適性を得る方法はあると思います。
たとえば、コントロールをスマートスピーカーで行えるようにするとか。ライト層を取り込むにはいくらNT-505が16万だと言っても高価すぎます。音楽配信サービスが広く普及する中ネットワークオーディオが今後どのような手を打ってくれるか、1ユーザーとして非常に楽しみです。