marantz HD-DAC1 レビュー
一桁万円台で幅を利かせている優秀なmarantz製DACのレビューです。
購入
ピュアだかプアだか、オーディオ界隈を駆け巡っていると必ずと言っていいほど見かける老舗メーカーのマランツ製のDACです。DACとしてこれまで私はONKYO DAC1000を使用していました。
このDAC1000というやつを自室のオーディオシステムに組み込んだところびっくりするほど音が良くなりました。というものの当時の私のオーディオシステムは静音なんて全然考えてない自作pcにサウンドカードから引っ張ってきたステレオミニプラグを分岐させてミニコンポのRCAに差し込んで、SONY製トールボーイスピーカーのSS-6000を鳴らすというびっくりするものでした。まあ高校生の頃の話ですが…
余談ですがほとんど調べずに購入したDAC1000とss-6000は今思えばめちゃくちゃコスパ良かったと思います。ずっとこれ使っておけば使わずに済んだ金がいくらだったろうかとも思います。
DAC1000の欠点といえばリモコンが無いことです。音質には十分満足していたにも関わらず、TVとPCを繋げているためオーディオラックまで足を運んでソースを切り替える必要があり、それがどうしれも億劫になってしまったのです。
と、いうわけでリモコンを備えていて音質的にも向上が期待できる、実売価格にしてDAC1000の倍以上にもなるHD-DAC1を購入することにしました。
機能
機能的には光入力端子が2つ 同軸入力端子が1つ USBが1つ に加え、ステレオミニジャックのAUX端子が備えられています。
アップサンプリングなどはありません。
入力にはPCM192kHz/24bit 及びDSD64まで対応しています
出力は音量について可変、及び固定出力がRCA端子でそれぞれ1つずつ備わっています。これが何よりも機能面で特徴だと思います。
というのも、当時私はSTAXのイヤースピーカーシステムを使用していました。
STAXのイヤースピーカーは専用のドライブアンプがあるのですが、。ドライブアンプには個別にボリュームがついているのでHD-DAC1の固定出力を利用していました。
それに加えて可変出力をプリメインアンプに繋げていました。プリメインアンプはリモコンが付いていなかったのでHD-DAC1のリモコンで音量調節・ソース切り替えなどをひとまとめにすることができました。
ちなみに、この可変出力というやつはヘッドホン端子用のボリュームを引っ張ってきているものなので、公式HPに書いてある
ゲイン切り替え機能
3段階(High [ 22 dB ] / Mid [ 16 dB ] / Low [ 11 dB ] )のゲイン切り替え機能を装備。接続するヘッドホンのインピーダンス、能率に合わせて最適な音量に設定することができます。
というのを利用できます。実際ゲインを切り替えることで音的な変化はあったのでそれぞれの環境において色んなパターンを試すのが楽しいです。
バランス入力を持ったアンプは高価なモデルが多いので、程々で良い方はアンバランス2丁持ちというほうが便利なのではないでしょうか。
あと、かっこいいよね。デザインが。
音質
音質についてのレビューです。基本的に買い替え前のDAC1000と買い替え後のsonicaDACを比較した上での感想になります。
音の傾向としては美音系といえますかね、アコースティック系の音がとても聞き心地いいです。自分の聴くものの中では特にギターの生音やピアノが良かったです。
自分は流行りのロックなども聞きますが、DACの音としてあまり尖っていない分こちらはベストマッチとまではいきませんでした。オケやジャズといったオーディオファイル様方がよく聞くジャンルには合っていると思います。
DAC1000は全体的に特徴的というよりは、どの音もまんべんなく鳴らすことができる印象でしたが、HD-DAC1はどちらかと言うとDACの色を出す機種ですね。
こと解像度という点においてはsonica DACが勝っている印象ですが、例えばイヤホンで言うところのBA型を聞いた後にダイナミック型を聞くと解像度が全然足りなくて篭って聞こえる、などと言ったほどの圧倒的な差はないように思います。
とはいえ、数十万円台が普通の世界であるのにもかかわらずよく実売数万円でこんなものを売りますね。正直これで満足っていう感じです。とはいえその後sonica DACを買う私ですが←
総評
価格相応の価値はあると思います。同価格帯にはPioneerのU-05というヘッドホン用のバランス端子を備えたDAC/ヘッドホンアンプ複合機もありますが、(個人的にPioneer製品に苦手意識をもっていることもあるけど)機能的に絞られている分HD-DAC1の方が音質いいかなという感じで購入しました。どちらもある程度発売から月日がたった機種なので割引率も大きくなっていますし、今だからこそ買い時といえるんじゃ無いでしょうか。
最低限の機能を持ちつつ、音質的な実力のある機種なので私のような買い替えに限らず初めての据え置きDACとして十分な性能だと思います。